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「サントリーのごまのCMで使われているの、kotaんとこの応量器じゃない?」と、ここ数日で数人から言われました。

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屋号

たに屋というのは父が30年ちょっと前に始めたときにつけた屋号です。私には思い入れがありません。と言うと少々誤解されるかもしれないので補足すると、たとえば「うるし庵」とか「クラフト コタ」とかいう名前であっても、30年使い続ければ今の私の中におけるたに屋と同じ扱いになる、ということです。つまり、改めて言うことでもなく名前は記号なのです。

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素材としての国産漆と中国産漆の違い

日光東照宮の建て替えで、日本産の漆が使われることになった。

寺社仏閣は定期的に建て替える。日光東照宮は、前回の改修で中国産の漆を使ったそうだ。しかし、中国産の漆は劣化が酷く、今回は高価でも国産の漆にしようということになった。劣化が酷いということはメンテナンスや補修に手間とコストがかかる。それだったら最初からまともなものを使おう、というのは良識ある判断だ。さすが徳川の鬼門。

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タイミング



漆器ができあがる。誰かが購入される。
これはタイミングです。
申し訳ありません。

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マイ箸

エコだかロハスだか知りませんが、今年に入ってから「マイ箸あります?」という問い合わせを百万件いただいていています。嘘です。誇張です。でもまあともかく、問い合わせをいただいてありがたいかというとそうではなく、私は「マイ箸って何ですか?」と尋ね返します。すると大抵相手は言葉を失います。マイ箸とは何なのか、本質的な問いを突きつけられてしまったのです。というよりマイ箸は既に一般常識なのに何でこの人は知らないのかしら、と唖然としているのでしょう。で、沈黙させてしまったのは私の責任、私から言葉をつなげます。「いま持ってる箸じゃだめなんですか?」と。うるさいところに電話しちゃったなあと相手は思っていることでしょう。

私は箸も作っています。広島県にいる、箸だけを作っている職人に依頼していて、木地は漂白剤も防腐剤もかけられていない国産を半年近くじっくりと乾燥させたもので、下地にも塗りにもポリサイトや石油溶剤を使っていません。木は朴を使っているので軽く、表面は乾漆仕上げで、丈夫ですべりにくくなっています。でもそれは「マイ箸」ではなく「箸」です。マイ箸なるものは作るつもりも売るつもりもありません。箸を一本も持っていない人のほうが珍しいし、あなたが今使っているその箸がユア箸じゃないですか。それを持ち運んでください。木にしろプラスチックにしろ鹿の角にしろ金属にしろ、なぜ新たに箸を買い足す必要があるのですか? 資源を大切にとか言ってるその口と、行動が逆です。要は、箸じゃなくて箸袋なわけです。「マイ箸」なんて環境ビジネスに騙されちゃいけません。

じゃあ箸はいま持っているのを使うとして、箸袋か箸箱をひとつ持てば良いわけですね、というとそうでもありません。地球に優しいエコな私とか思っているなら、袋なんて買っちゃだめです。それを作るにも資源が使われ、エネルギーが消費され、あなたの手元に届くまでには莫大な物流エネルギーが消費されているのです。

そんなわけで前口上が長くなりましたが、今回は、なぜか漆器屋による箸袋のつくりかたです。日本には「包む」という古くからの知恵があります。

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伝統工芸という言葉の響き



tradition is nowhere;
tradition is now here.

という言葉には文字通りの意味を込めています。
私は、伝統という言葉に愛憎半ばの感情を抱いています。

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私がグッドデザイン賞に応募しない理由

私の父は6年連続計8アイテム受賞しました。私は1点も受賞していません。おそらく今後も。なぜか。端的に言いますと、グッドデザイン賞におけるグッドが、私の考えるグッドと異なるからです。

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わたしの漆器づくりは時流に乗った言葉にあてはまるのか

そろそろ、ある言葉について、私の考えを明確にしておきたいと思います。

最近会う人からしばしば聞かれる言葉のひとつに「LOHAS」(ロハス、ローハス)というものがある。スローライフからの流れで、なんとなく良いイメージを持たれている。地球にやさしく、環境を意識したものであると。略文字であるLOHASは、“Lifestyles Of Health And Sustainability”つまり「健康と持続可能性のライフスタイル」ということだ。すばらしい。

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