ホセ・ドノソ「別荘」



混沌としたビジョン。

ラテンアメリカ文学といえば、マジックリアリズム。漆器における輪島塗の如く最も一般的に知られているのは、ガルシア=マルケス「百年の孤独」だ。マジックリアリズムは、とても濃密。すごく濃いリキュールで酩酊するかのような、熱を出したときに見る夢のような、そんな読書。いまいち日本では知られていないのだけれど、ドノソの小説も、濃密。代表作のひとつとされる「別荘」の日本語訳が、ようやく出た。2014年の小説で一番と言い切ってしまいます。

続きを読む