木の種類:黒柿


学名:Diospyros kaki Thunb
科目:カキノキ科カキノキ属

柿の木は、全体に淡い橙色をした木。
稀に、黒い部分が縞模様のように現れることがあり、
漆器では主に、その「黒柿」を使います。
「黒柿」という名前の木の種類があるわけではありません。
外見は同じ柿の木を伐って、黒い部分があるものをそう呼びます。
黒柿である確率は、1万本に1本とも、10万本に1本とも言われています。
伐ってからでないと判らないという、困った木です。

なぜ黒くなるのかは解明されていないのですが、
菌などの微生物による作用ではないかというのが最も有力です。
つまり、病気になった木というわけです。

黒がどのような模様を描いているのか、伐ってみないとわからないです。
好みもありますが、良い目のものが愛好されます。
孔雀の羽根の模様に似たものは孔雀杢と呼ばれ、最も稀少なものです。
虎杢という、孔雀杢に似た模様もあります。
他に縞模様があり、こちらを好む人も多いです。
あとは一面真っ黒な「べた黒」があります。

主に茶道具および茶室の装飾に使われますが、小物や食器にも使われます。
堅い割にはもろく、加工しにくいのに耐久性がありません。
そういう観点からも、趣味性の高い材料と言えます。

黒柿も、他の木と同じく、年々稀少になっています。
縦木で直径5寸ある材料は、めったに手に入りません。
下の画像は2寸2分(≒直径65mm)の棗です。



年輪が少しだけ見えると思います。
これだけの大きさになるまでに、それだけかかるということです。
(中心は使えないので、原木の直径はこの倍以上になります)
この棗を挽くには直径20cmほどの原木が必要になりますが、
それだけの直径があって、さらに孔雀杢の原木になると、
市場の段階で安くても200万円、高いもので500万円以上します。

現在ではふつうの柿の木に墨汁をしみこませた偽物が出回っています。

しっかりと下地を施して漆を塗り重ねると、
せっかくの模様が見えなくなります。
黒柿は、木地のままか、拭漆で仕上げることがほとんどです。

焦茶色と黒の模様と、白い部分のコントラストがあまり高くなく、
非常に落ち着きながらも単調ではない、独特の風合いを醸します。



(明るく撮ってみました。いちばん上の画像と比較してみてください)
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