ユニゾンリサーチのオーディオ



DJをしていた私は、最近ようやく音を「音源」ではなく「音楽」として聴くようになりました。
原音志向と美音志向に分かれるオーディオ。私は美しい音色に包まれたいタイプです。好みの美しさか否かで選ぶことが最善であると考えました。私が聴きたいのは、透明感と艶が両立した「潤い」のある音色です。数か月かけて(私が田舎暮らしだからであって、都市生活者は土日で片づくと思います)いくつか試聴し、ユニゾンリサーチの製品を選びました。イタリアのUNISON RESEARCHは木を使った美しい真空管アンプで有名です。私が選んだUNICO(ユニコ)という名前のついたシリーズは普通のオーディオのかたちをしていて、CDプレーヤーも統一されたデザインで合わせることができます。

ユニコの最大の特徴は、真空管とのハイブリッドであること。しかも、アンプだけではなくCDプレーヤーにも真空管が使われています。真空管というと「あたたかい→ぼんやりしている、こもる」というイメージがありますが、透明度は真空管が最もあります。

ユニゾンリサーチの音色は、ヴァイオリンをはじめとした銘器を生み出してきた長い歴史を誇るイタリア人でなければ出すことが難しいと思います。濃密で、艶と潤いにあふれ、官能的ですらあります。



電源ケーブルや接続ケーブルを高価なものに替えると音に魅力がなくなります。オーディオのヒエラルキーや泥沼やプラシーボとは無縁。電源スイッチは側面についていています。アンプは左側、CDプレーヤーは左側。



電源を入れると、緑色のディスプレイがつきます。真空管があたたまるのを待つ時間です。音楽を聴くことができるまで残り何秒かを表示します。画像では、あと24秒。ふだんは電源を入れっぱなしで、出張のときに電源を抜くくらいです。



操作性は、非常に高い質感を伴っています。アンプは、ボリュームと、入力をCDかレコードかDVDかを選ぶセレクタだけ。高域や低域を調節するトーンコントロールや、左右を調節するバランスなどは一切ついていません。つまみというかノブは大きく、角にテーパーをかけてあります。軽くもなく重くもないです。画像では黄色く光っていますが、実際はディスプレイと同じ黄緑色です。CDのトレイが出てくるときは出だしが早く、次第に速度を落とし、そして、静止。



表面仕上げは、けばけばしさを抑えたアルミのサテン仕上げ。マットな質感の白色。木を使ったブランドプレート。余計な照明表示もなく、これなら部屋に置くことができます。真空管を替えて音色の違いを楽しむこともでき、機械としてはめずらしく長く付き合っていきたいと思わせます。



背面には「Handcrafted in Italy」の文字とシリアルナンバー。素材とスペックだけで組み立てても「音色」は表れてきません。音を奏でる「機械」は結局、作り手に美意識や信念といったものがないと紡ぎ出されないものだということを、はっきりと知らしめてくれます。マニアックな話になりますが、ユニコはバイワイヤ対応です。私が使っているスピーカーもバイワイヤ対応です。いろいろと試してみましたが、ふつうのバイワイヤリングが最も明瞭でした。



CDプレーヤーを開けたところです。購入時についていた真空管は、ロシアのエレクトロハーモニクスです。真空管は現在東欧とロシアのものが多いようです。イギリスにも名門がありますし、アメリカにも在庫がたくさんあります。でも偽物も多くて、私のような田舎暮らしにとって真空管を購入するというのは一苦労です。



真空管はユーゴスラヴィア製のEl Elitesに替えました。こくと透明感がさらに出ます。



アンプにとりつけたところ。



夜、明かりを消して音楽と対峙するとき。
天板のスリットから漏れる光が、良い感じです。
判りづらいですが、左がCDプレーヤー、右がアンプ。



置いている棚は、正倉院にあったものを模してデザインし、大工さんに作っていただきました。拭漆を施してあります。釘などの錆びる金属を一切使わず、棒を通して組み立てます。ということは分解もできるので、展示会などに重宝します。金属やガラスの場合、コンマ数ミリでも柱の太さが異なると、ぐらついたり入らなかったりします。でも木は、ちょっときゅうくつでも無理矢理押し込むこともできますし、そうすれば全くぐらつくことがありません。しっかりしているけれど硬くない素材といえば、木です。コード類が見えるとうるさいので、柱の背後に固定しています。部屋の雰囲気を損なわないこと、それが私のもの選びの大前提です。訪れたことのある方ならご存知ですが、私の部屋には、あってあたりまえのものが、なかったりします。

ユニコについて詳しく知りたい方はあるショップのレビューをお読みください。大げさな気もしますし、自社製品との組み合わせにグレードアップする方向に話を持っていっている気もしないでもないですが、おおむね当たっています。

スピーカーについてはいずれ別項で紹介しようと思っています。ユニゾンリサーチではモニタースピーカーに同じくイタリアのDIAPASONを採用しています。というわけで私もディアパソンです。




追記;
「バイワイヤって何?」という質問をいただきました。バイワイヤとはそのままの意味で、ふたつワイヤーがあることです。通常、ケーブルは赤と黒の2本であることが多いです。それは2本ですが、シングルワイヤリングと呼びます。バイワイヤとは、赤と黒それぞれ2本ずつあるということです。ひとつのスピーカーに繋ぐケーブルが4本あるわけです。私の使っているアンプとスピーカーはどちらもバイワイヤ対応です。なぜ同じ右のスピーカーの音を出すのにケーブルが2本も必要かといいますと、ものすごく乱暴に説明すると、高域を独立させて動かしているのです。

アンプの背面は、このようになります。



スピーカーの背面は、このようになります。
画像は、以前使っていたTANNOY Revolution R3です。



バイワイヤのほうが良いかというと、そうとも言い切れないようです。ソナス・ファベールやハーベスなど私の好きなスピーカーのメーカーは過去バイワイヤだったのですが、シングルワイヤリングに戻しつつあります。


追記;

他のものも教えてほしいという意見をいただきましたので、載せます。
私はマニアではないので、何の役にも立たない情報だと思います。

SACDプレーヤー;マランツ SA8260
どうしても5.1chを聴きたかったことが、第一の理由です。



クラシックで録音が素晴らしいレコードレーベルのひとつに、Living Stereoがあります。このレーベルはステレオ黎明期に3chで録音していました。SACDになりようやくその全貌を見せはじめました。3chというのは、ふつうのスピーカーに、真ん中にスピーカーを足します。オーケストラの配置を良くしたり、ソナタ楽器を浮き上がらせたりします。これに慣れたら、もう元には戻れません。もちろん、ピンク・フロイド「狂気」やビョーク「ヴェスパタイン」などの5.1chは驚愕ですし、クラシックの5.0chサラウンドは、ホールを再現してくれます。SACDのすばらしいところは、自然な空気感だと思います。今ではマランツとデノンは同じ会社ですが、綺麗な音のマランツ、低域を強調したメリハリある音で試聴では良い音と思ってしまいがちなドンシャリのデノン、という特徴は保たれています。日本のメーカーでSACDプレーヤーを選ぶとなると高級機を除き事実上この二社しかないというのは不幸です。まあSACDに関しては欧米の方が不幸かもしれませんが。

5.1chSACDを聴くのは、ヤマハのAVアンプに、TANNNOYのスピーカー5本。
サブウーファーは、私には不要でした。

レコードプレーヤー:テクニクス SL-1200MK3D
東大阪の町工場の技術の結晶、累積販売台数は1千万台を超える永遠のベストセラー。
松下電器はこのプレーヤーのためだけにテクニクスブランドを無くしません。
音が良くないことで有名なのですが、いつでも一緒だったので手放すのは無理です。
当然2台所有していましたが、1台は同業者でもあり友人であるOに譲りました。



カートリッジ:ortofon concorde pro
デンマークの老舗。音楽を聴くためのカートリッジではないのですが、これも離れられません。かっちりした音色で、DJユースなのでタフです。私はMC型には興味ありません。ほしいカートリッジはディスコンばかりです。MM型だとGRADOに興味があります。まあでもプレーヤーが松下なので……。

カートリッジと針のスペアも常備。



ヘッドフォン:AKG K501
音楽の都、オーストリアのウィーンに本拠のあるアーカーゲー。K501は、基本中の基本。現在は後継機種のK601と、毛色の異なる華やかで力強いK701が出ています。ヘッドフォンは、AKGかドイツのゼンハイザーか日本のスタックスから、試聴して好みの音色を選べばいいと思います。ロックしか聴かないのであればドイツのウルトラゾーンやアメリカのグラドも試してみるといいかもしれません。日本は、スタックスを除き、長時間にわたって音楽を堪能できるヘッドフォンはありません。



スピーカーケーブル:カナレ 4S8
日本の電線メーカー。県内在住の方から譲っていただきました。
1本のケーブルに線が4本ある4芯なので、すっきりとしたバイワイヤリングが可能。

RCAケーブル:ortofon  AC-1000Q
オルトフォンはケーブルでも定評があり、これは実売8000円程度の安価なもの。



ユニゾンリサーチとディアパソンを使っていると、ケーブルに興味がなくなりました。良いと言われているもの、つまり高価なものに替えると、音がすっきりしてしまいます。私が望む音色ではありません。また、正直言って、ケーブルによる微細な変化など、私には判りません。ケーブルでユニゾンリサーチの濃密な音色が例えばデノンのようにメリハリの効いた音になるかというと、そんなわけありません。それよりもセッティングと部屋だと思いますし、左右非対称な私の部屋では「原音再生」なんて無理な話。濃密で濃厚で官能的な音色を部屋に漂わせることができれば充分なのです。

まだあとパイオニアのCDJやミキサー、KORGのエフェクタ、STANTONのヘッドフォンもあります。
でもそれらは音楽を聴くものではないので省きます。
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コメント

No title

riri様
コメントありがとうございます。
部屋は問題ないと思いますよ。
マニアになると和室六畳にB&Wの804とかを置いてますし。

ハーベスは自然な風がふわっと出る感じで私も好きです。
友人でもあるピアニストのN氏の自室のシステムも昔のハーベスです。
SACDプレーヤーがパイオニアで、アンプは何だったか……。
木を震わせて音を出すので、かなり独特な設計思想ですね。
ブランド名の由来もすてきですし、BBCモニターの実績もありますし。

中古を狙うならHL-CompactかHL-Compact 7ですね。
その後の7ES2や3では失われてしまった工房的な良さがあります。
(まだ社員3人の頃の名作です)
でも寝室としてもお使いの部屋なら密閉型も良さそうです。
ハーベスで密閉っていうのもちょっとどうなのという気がしないでもないですが。

ラックスマンいいですね。良心のある企業です。
私、新しく出たヘッドフォンアンプに猛烈に気持ちが傾いています。
型番が判らないので検索したら、20年前のモデルなんですね。
当時のものが最もお金をかけていたはずです。
いい状態のものがあれば良いですね。

Simply fourは試聴したことがあります。
割と気持ちは傾きました。
でも選ばなかったのは、CDプレーヤーとの見た目と、
レコードを聴くにはフォノイコを買わなきゃいけない、
という点でした。やる気がなくてすみません。

ユニゾンリサーチとハーベスの組合せは割と聞きますので、
ブログで検索したら結構引っかかるような気がします。
ハーベスにデジタルアンプだとスカスカになりますが、
ユニゾンリサーチだと洗いざらしのコットンが風に揺れる感じになります。
ラックスマンだと、もっと「きれい」になるのではと思います。完全に想像です。

いずれの組合せも、想像するだけで耳からよだれが出そうです。

CDは音が良くないですよ。
普及したのは小さくて取り扱いが楽だからです。
私はブラームスもアーノンクール指揮を聴く変態古楽フェチです。
でもやっぱり他指揮者の「レコード」には適いません。
SACDはCDよりも随分「自然」にはなっているのですが、タイトルが少ないですし。

勝手な想像ですが、レコードをハーベスで聴くのが最も嗜好に合っているような気がします。

「ユニゾンリサーチの件」でメールお送りしました。

訂正です@オーディオ再開

>>いろいろ悩みますが、悩むのも楽しいです。
>>最近、こちらのUNICOの組み合わせにかたよってますね。

最近、こちらのUNICOの組み合わせに気持ちが傾いてます。


以前、ベイヌム(コンセルトヘボウとの2回目録音?フィリップス?)・・・のカセットテープでブラームスの交響曲一番をよく聴いてました。アナログ感濃厚なふわりとしたいい録音で、すいすいと進む 上善水如 という言葉がぴったりな演奏でした。フルトベングラーとは対極にあるような力の抜けたいい演奏です。フルトベングラーは大好きですが壮絶すぎて一曲聴き終わると魂抜かれたようになります。

そんなわけでベイヌムのCDを探してたんですがある日お店で見つけて欣喜雀躍!家に帰って聴きましたが・・・解像度は上がったし、音色(雰囲気?)は残っていたようですがカセットで聴いた時の感動はありませんでした。解像度や音圧があがった分、何かきついもの感じてCDになったからさらに感心する音になるわけではないのだなと変に納得したことを憶えています。

これからも質問をさせていただくことがあると思います。よろしくお願いいたします。

オーディオ再開

はじめまして
オーディオを再開しようと思い製品を物色中です。
こちらで、ユニゾンリサーチの感想を拝見させていただきました。

アンプについては
①ユニゾンリサーチのsimply four
②LUXMAN L-540 or L-570
を候補として考えておりました。どうも最近のアンプでピンとくるものがありません。
聴く音楽はクラシック、ジャズ、ロックと幅は広いです。

あわせるスピーカー(新品、中古こだわりなし)は
HARBETH  HL Compact系列のものがいいかなと考えております。
大きさ的にこれが限界かと思います。

リスニングは家の自分の部屋(寝室兼務)です。
四方のうち2面はふすま、一面が障子、一面がガラス障子というトンでもない環境です。
こんな環境ですが、システム的におごりすぎでしょうか。
他にフローリングの部屋もありますが最悪の環境でも目指す理想は小さな音量でも綺麗で和む音です。

いろいろ悩みますが、悩むのも楽しいです。
最近、こちらのUNICOの組み合わせにかたよってますね。



黒石様
再度のコメントありがとうございます。

BOW TECHNOLOGIESをお持ちなら、私だったら何の不満も疑問もないです。デザインも、マーク・レビンソンが格好良くなった感じですし。わざわざCARINにすることはないんじゃないかなあと思います。このブログを見つけてディアパソンを購入された方が何人かいらっしゃいます。責任重大だなあと思ってみたり、そうは思わなかったりしています。みなさん、使っているアンプは異なります。そういうもんだと思っています。嗜好に合わせた定番の組み合わせなんて存在しえないですし、これにはこれだ、という押しつけなどできるわけがありません。マニアになるとオフ会を開き、アンプの聴き比べをするかもしれませんね。

まあでも、いずれにしても「帯に短し襷に長し」なもんだと思っています。

オーディオの音を聴くのではなく、音楽を聴くのが健康的だと思います。「もっと良い音、好みの音があるんじゃないか」と常に頭の片隅にあるのは、どう考えても幸せではありません。ケーブルどころか電源までいじって、おまけに訳の解らないシールを貼りまくってしまいます。泥沼は、エンドレスです。オーディオには絶対的な基準がないですから。「オーディオ歴」なるものは、泥沼期間の長さだと考えています。ものすごいパワーアンプとスピーカーを幾つも買い替え続け、30年。結局LINNのクラシックになった、という方を何人も見てきました。36畳くらいで天井が5mくらいあって傾斜している、実際のオーケストラと同じくらいの音量で流せて、なおかつ窓を開けることができる、といった部屋ならそれなりのオーディオにしたほうが良いかもしれませんが、一般的な話ではないです。

ここ半年くらいの出来事で象徴的だなあと感じたのは、ケーブルの違いを聴き分けたら100万ドルあげる、というのがあったけれど誰も挑戦しなかった
http://gizmodo.com/gadgets/calling-bullshit/james-randi-offers-1-million-if-audiophiles-can-prove-7250-speaker-cables-are-better-305549.php )というのがひとつ。そして、ゴールドムンドの140万円のプレーヤーとパイオニアの2万円のプレーヤーの中身が同じ( http://homepage1.nifty.com/iberia/column_audio_goldmund.htm )というふたつです。「ゴールドムンドならではのゴージャスでありながら洗練された音」とか「このケーブルは高域がスーッと伸びる」とか言ってる「オーディオ評論家」って何なんでしょうね。

ともあれ、ディアパソンで聴かれる方が増えてうれしく思っております。

 ご返答、ありがとうございます。
 気づかないうちに、私は「泥沼」に陥りかけていたのかもしれません。
 現在、アンプは、BOW TECHNOLOGIES ZZ-ONEを使っています。
 このアンプで十分な艶、色があります。ディアパソンにもあっています。
 でも、もっと素晴らしいアンプがあるのでは・・・と、肝心な音楽を単純に楽しむことを忘れていました。
 もっと純粋に音楽を楽しんでいきたいと思います。
 お忙しい中、本当にありがとうございました。

黒石様

はるばるお越しいただきありがとうございます。
ソナスも良いです。というか一般的に濃い美音といえばソナスです。
でも、最後の最後は好みだと思います。
実際にお聴きになられて購入されたのであれば安心ですね。
ソナスはモダンですっきりした音色になってきています。

ケルンはいいと思いますよ(ディアブロか4810かな)。
けんかするかは試聴していない私には判りません。
それよりも、少し前に日本撤退で半額叩き売りと聞きました。
いまもその在庫があるということなのでしょうか。
それとも、別の代理店が契約したのでしょうか。

いまお使いのアンプは、すっきり系なのでしょうか。
それでもコメントにあるようなディアパソンの音色を楽しめるなら、
別にそのままでもいいじゃないかという気もしないでもないです。

知り合いには、ウィーンアコースティックのT-3Gを、
38,000円のデジタルアンプで鳴らしている人もいます。
アンプは、無濾過で、ただ増幅してくれればいいという考えです。
それはそれは見事な、透明感と潤いのある音色でした。

濃いのと濃いのを掛け合わせるとけんかする、
というのは濃い音色好きには常につきまとう問題です。
ただ、最近思うのは、スピーカーとアンプなら、
スピーカーのキャラクターのほうが圧倒的に強い、ということです。

現に、黒石様のシステムにおいても、
スピーカーをディアパソンに替えたら音が変わったわけですよね。
ディアパソンの濃さは、アンプでは打ち消されないと思います。
また、アンプの濃さと混ざる、ということもないと思います。

すっきり系だか原音系だか知りませんが、
分析的というか解析的に聴く人がオーディオマニアにはいます。
「ソースの音を忠実に」というほうが機種選びが悩ましいです。
というのも、ほんのわずかな色付けも目立つからです。
ぶっちゃけ、ソースの音を忠実にとか、自然な音色をとか、
コンサートホールを自宅に、とかいったのは無理だと思います。
無理だからこそ、たくさんの人が試行錯誤しているわけです。

それとは異なる意味で「濃い」音色を求める人がいます。
一口に濃いといっても、パチンコ屋のチラシのようなものなのか、
富山のラーメンのようなものか、むせかえるような大人の女性か、
名倉潤の顔のようなのか、ほんものの蜂蜜のようなのか、
どのように濃いのかは異なります。
濃さを「濃度」として絶対的な指標にすれば、
順列はつけることができるでしょう。
しかしながら、それはあくまで糖度のようなものです。
もぎたてのオレンジとガリガリ君とビターチョコを、
糖度のみで順位づけるような話になります。

濃いのは個性が強いと思われていますが、すっきり系も個性です。
ウォッカを水で割るのがすっきり系で、
カンパリをベルモットで割るのが濃い系という感じです。
(さらにジンを足すとネグローニというカクテルになります)
どちらにも個性はあります。

ディアパソンをヤマハやマランツで鳴らすと、
ユニゾンリサーチよりはすっきりします。
ただし、どこまで濃いのが「ほんとうのディアパソン」なのか、
そんなことは誰にも判りません。
もしかすると、解像度が高くてホール感のある音で、
ほんのちょっぴり濃くて美しい音色、
というのが能力を最大限に発揮しているのかもしれません。
果たしてそれは「個性を打ち消す」ことになるでしょうか。

自然な音色のハーべスには真空管を合わせる人が多いです。
自然ですっきりした音を求めるなら、真空管はナシです。
でも、なぜか真空管アンプが人気です。
個性を打ち消し合っていると言える事象です。

ケルンでディアパソンという組み合わせは覚えがありません。
でも、それならそれで黒石様の音であるとも言えるわけです。

オーディオの市場は、認知的不協和で成り立っている気がします。
何かを購入しても「これよりもっと合うものがあったのでは」
という思いがわずかでもあるのは不健康です。
試聴されたほうがよろしいかと存じます。

もしくは、ベストな組み合わせかどうか判らないけれど、
自分はこれを見た目やコストパフォーマンスも考えて選んだ、
という強さがあれば、泥沼に陥ることはないと思います。

さらに、半額で出ているなら、多少のことには目を瞑って、
まあそういうタイミングだったとするのもありだと思います。

ぴんと来たら、それで良いと思います。
誰のためでもないし、誰かに認めてもらうためでもないし、
自分が音楽を楽しむためのものですから。

試聴されるなら、ついでに聴くことをお勧めしたいものをふたつ。
Sinthesis:見た目はひどいですが、手頃な価格です。
http://www.naspec.co.jp/synthesis/syn-index.html
Pathos:定価28万円のclassic oneが中古で98000円です。
見た目も美しく、官能性を帯びています。
http://www.pathosacoustics.com/
どちらもイタリアで、私の好みにバイアスがかかっています。
共に、濃いとも言えますが「豊か」という形容が正確です。

私、初めての仕事がアルパインの広告コピーでした。
その後、ケンウッドとJVCとアゼストの仕事もしました。
クラリオンガールにも一時期携わっていました。
カーオーディオは難しいですね。
大手の事業ドメインは完全にナビへシフトしていますし。

まとまりなく長い返信で失礼しました。

余韻のある良い音です。

カーオディオを長くやっていました。
しかし、事故に遭い泣く泣くオーディオを手放すはめに・・・・。
わたしは、余韻があり色艶があるスピーカーが好きです。
車は消耗品なので、ホームをやろうと思いました。
まったくのオーディオ初心者です。
ソナスの音に惹かれて、調べていたらこのサイトにめぐり会いました。
直に、ディアパソンが置いてあるショップを検索して、はるばる遠征して、即買いしました。
このスピーカーは、余韻があり、蔭りもあり、艶もあり、最高の雰囲気を聴かせるスピーカーだと思います。
ただ、悩みがございます。
このスピーカーに合うアンプです。
第一候補として、CAIRNのアンプを考えておりますが、当方田舎者で、かつ流通が極端にすくないため、視聴ができません。
CAIRNのアンプは、大変濃厚で、ネットで見る限り私の好みです。
しかし、ディアパソンとの相性は、互いに個性が強すぎてケンカするんじゃないかと、なかなか購入できずにいます。
ディアパソンの良いところが打ち消されるんじゃないかと・・・・・。
誠に勝手ながら、この二つの相性はどう思われますか?

りょう様
気分を害しかねない返答にも拘わらず、
そのようなコメントを再度いただきありがとうございます。

「ピュアオーディオ」は泥沼です。ほんのわずかの音質向上のために何倍ものお金をかけ(続け)る人がいる一方で、オーディオ(ハード)はこんなものでいいんだとどこかで判断する人もいます。昔はJBLの38cmを真空管で鳴らしてたけど今じゃLINNのクラシックと小型のブックシェルフで楽しんでるよ、という人も何人か知っています。私はふだんもブログでも「ピュアオーディオ」という言葉は使ったことがありません。

ユニゾンリサーチを選んだ自分はそれで間違いなかったのだろうか、もっとベターな選択があったのではないだろうか、という思いは、多かれ少なかれ必ず湧き起こるものです。これは認知的不協和と呼ばれているもので、自分の判断基準とは別個に、雑誌のレビューで高評価だったらうれしくなったり、その筋の人が褒めているとうれしくなったり、そういった感じで解消していくものです。

そこに陥ったら、泥沼です。数千万円のシステムを夢想し、実現したとしても「もっと良いものがあるのではないか」と常に頭の片隅では思いながら、今日も音楽を聴かずにセッティングに勤しむ。

それよりは「音楽を楽しむならまあこれが基準とはいかないまでも最低限ではあるかもしれないよね」くらいの感じでとどめておいたほうが、まともな神経だと思います。自分の選んだものに責任を持つことは、今後はあらゆる分野と側面で要求されると思いますし。

木の棚は、私が漆器を作っているので職権濫用とも言えることをしてしまいました。でも今はオーディオはもっと厚い板に載せ、棚は単なる棚になっています。

今日は北陸も暖かかったです。きらきらと光を反射する海が、もうどう考えても春の海でした。そして私は、春の海よりも爽やかな音楽(を奏でる人たち)に触れました。

コメントありがとうございました。

ありがとうございました。

純粋に音楽を楽しむ。私は、そこが第一歩でした。あまりに難しく考えすぎて、頭でっかちになっていたように思えます。
 単純に、自分が聴いていて楽しければOKとういことですね。
すっきりしました。せっかく購入したのですから、愛着をもって接していきたいと思います。
 ところで、木で組み立てられたオーディオの台、とても綺麗ですね。作っていただいたとの事。部屋にすごく溶け込んでいて素敵です。
 今日は、天気がいいです。こんな日に音楽を聴くと、きっと楽しいでしょうね。
 ありがとうございました。

りょう様
コメントありがとうございます。
いきなり否定から始まってしまい恐縮ですが、私は「ピュアオーディオ」なる言葉は売り手と業界が生んだ、高いものほど良いものだと思わせるための選民的な言葉だと思っています。オーディオにピュアもナスティもないはずですし、音楽もそうです。また、純粋に音楽を楽しむことと、ピュアオーディオと呼ばれる世界は、なかなか交わる場所がないとも思います。

オーディオは音楽を純粋に楽しむための道具になりえます。でも、オーディオに凝って追求することは、果たして音楽そのものに向き合えているかとなると、そうではないとしか判断しようがありません。オーディオマニアは「そんなことはない」と言うと思いますが。

私はフルトヴェングラーのバイロイトにおけるベートーヴェン交響曲第9番が好きです(とはいっても私にとっての第9番のベストではありませんが)。でもたぶんオーディオマニア/オーディオファイルにすれば、最悪な音です。オーディオに凝ると、聴く音楽が変わります。良く言えば世界が広がるわけですが、悪く言えば自分自身ではなくオーディオに変えられているわけです。

1万円のCDラジオで聴く音楽が駄目とか、ミニコンポなんておもちゃだとか、そんなふうに考えたことはありません。それに慣れた耳なら、演奏や音色の違いを聴き分けることができるからです。そこから「ピュアオーディオ」に替えれば大違いですが、私は周囲に押しつけたことなど一度もありません。プロのミュージシャンでも自宅はミニコンポ、という人が多いです。また、ある程度のスピーカーがあれば、あとは部屋に依ります。

私はiPodを良い音だとは思っていません。あの手のものなら自分でも驚いたのですがケンウッドが良い音です。しかし私は、そんなことを聴き分けられる自分がすごいなどと勘違いしたことは一瞬もなく、そんな微細なことに気づいてしまうことをむしろ不幸に感じました。ほんとうは何だっていいのに。

iQ9は良いスピーカーですね。好きです。美しい音が柔らかく広がる印象があります。オペラやバロック歌唱、ブリティッシュフォークなどは想像するだけで気持ちよいです。ユニゾンリサーチと合わせると、(私の使っているディアパソンと比較すると)透明感が付加されて、ただひたすらうっとりするような気がします。お得感もありますね。

ユニゾンリサーチの音は、濃いです。そして薄いのだか厚いのだか判断つきかねる感じです。解像度や分解能といったことは期待してはいけません。音場なのか音像なのかも、気にしてはいけません。そういう分析的な聴き方をする人には不向きでしょう。私は、そんなことはどうでも良く、とにかく濃密な音色にしたかったので選びました。真空管も、より濃い音色になるものに替えました。おかげでクリーンなエレクトロニカも濃いです。

これは決して、演奏者が望んでいた音色ではありません。でも私はその音色を望んでいるのです。私の生活ですから。

マランツ(清涼感あふれる音)やデノン(ハッタリの効いたドンシャリ)は「機械」という感じですね。ユニゾンリサーチは、もっと音楽に寄り添っているように思います。これはヨーロッパのオーディオに共通のことでもありますが。おそらく設計思想が根本から異なるのでしょう。

エージングはクルマの慣らしと似たようなもので、ふつうに使っていればそのうちその環境に適応していくものだと思います。どれだけ「エージング」が済んでいようと、場所を変えるとまるで違いますから。またその環境に合わせる作業が始まります。多湿な日本は、特にこれが大きいです。でも、エージングCDなんて不要で、そこに置いておくだけでいいと私は思っています。

お役に立てたとはとても思えない返答ですが、そんな感じです。

ユニゾンリサーチ

今年、33歳。ふと、音楽を純粋に楽しみたい。そんな気持ちになりました。3週間前までは、ピュアオーディオって何?って感じで、色々調べ視聴も数回ほどしました。でも、素人の私には大した違いも分かるはずもなく、信頼できそうな専門店の方からお奨めされたのが、ユニゾンリサーチでした。UNICO P、UNICO CDP。KEFのIQ9。予算に限りがありましたのでこのような組み合わせとなりました。スピーカーケーブルのはんだ付け処理や、オーディオの調整(エージングなど?)をしていただけるとの事でした。田舎のため、送ってもらうことになってます。楽しみです。
 当初、デノンやマランツの同値段帯を購入しようと思ったのですが、最終的には愛着がわきそうなデザインでもあったのでユニゾンに決めました。
 なにせ、全く初めての世界なので、良かったのかなあって正直不安と期待が入り交じってます。
 実際、使用されててユニゾンリサーチはどんな感じでしょうか?
もっと具体的に教えて頂ければ幸いです。

志茂 明敏様
コメントありがとうございます。
ほとんど同じものをお使いになられていてうれしいです。
シンフォニアいいですね。
古楽やバロック、古楽器による交響曲などを聴いたら
間違いなく私は失神してしまいます。
T-3Gはすばらしいスピーカーですね。
ディアパソンの音色を説明するのは難しいのですが、
ウィーンアコースティックの音色と比較してたとえると
ウィーンアコースティックは山の奥にある川の源流のそばで、澄んだ空気と爽やかな陽の光、みずみずしい緑、とにかく美しく広がるけれど拡散しない風景という感じで(あるならば)、ディアパソンは、もっと標高の低い場所で、川が近くになく、鬱蒼とした森の中、夕暮れどきに陽の光が上からではなく木の幹の間からほとんど水平に射してくる感じです。
また別の表現をすると、ウィーンアコースティックはベルベット、ソナスはシルク、ハーベスはシーアイランドコットン、タンノイはリネン、リンはツイード、ダリはラメ入りのレース、であるとすれば、ディアパソンは毛皮な感じです。……わかりづらいというか自分でも何を言っているのか解らないのですが私ももどかしいです。

DIAPASONの音って?

私もUNICO P、UNICO CD(CDPでなく)、そしてSINFONIA購入しました
スピーカーは、VICTORのWD500という、ウッドコーンを使用したスピーカーです。(他にはT-3Gを所有)
室内楽や特に女性ボーカルは魅力的な音を出しますが、DIAPASONの音とは一体どんなものなのか?現在輸入が途絶えているらしいので試聴も難しいのですが、是非聞いてみたいですね。

彷徨人様
オーディオアナログは中域の押し出し感が強く、ユニゾンリサーチは全体のバランスが良いと感じました。あくまでも私の耳と私の志向によるものですが。あとは温度感と厚みですかね。
オーディオアナログの表面仕上げも美しいですし、側面や天板まで気を抜いていないデザインだと思います。
ディアパソンを選んだのは、ユニゾンリサーチでモニタースピーカーとして採用されていること、艶が尋常ならざる濃さ(濃いスピーカーの代名詞Electa Amatorよりも濃いです)であること、木を組んでいること、といったところです。結局好みに合うかどうかなので、たぶんここまで濃いのは日本市場では間口が狭いと思います。アメリカでは「くどいくらいのイタリアン」などと評されています。これも濃いと言われるPATHOSのスピーカーを聴いてみたかったのですが、見つかりませんでした。

DENSENは格好いいですねぇ。
でも買えません。だって予算が(笑
よく聴くジャンルは室内楽とモダンジャズです。
真空管ハイブリッドが良いかなと考えています。
オーアナと比較してユニゾンにした決め手は何だったのでしょうか?
スピーカーはマイナーなディアパソンを選んだ理由をお聞かせください。
質問ばかりですみません。

たくさん試聴しました。
写真は下手なのをごまかすためにトリミングしています。
最も印象に残っているのはAudio Analogueです。次いでMusical FidelityとPrimareでした。真空管アンプならPATHOSがすばらしかったのですが、うまく合うCDPを見つけることができませんでした。
今はフランスのATOLLやCAIRN、デンマークのDENSENなど、この価格帯(アンプとCDPで30万円から50万円)のモデルが増えています。特にATOLLのアンプ(最廉価機種でディナウディオを駆動できる)の評判は良いようですから、私が試聴したメーカーに限らず色々と新しいものも聴いてみると良いと思います。デザインだけなら圧倒的にDENSENの黒が好みです。

ユニゾンリサーチで検索してこちらのページにたどりつきました。
写真が綺麗ですね。愛情を感じます。
オーディオの購入を考えており、ユニコが第一候補です。
差し支えなければ、比較試聴した機種を教えてくださいませんか。
ぶしつけな質問ですがよろしくお願いします。

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単なる、筆のすさびです。

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>CDのトレイが出てくるときは出だしが早く、次第に速度を落とし、そして、静止。

文字が時間芸術だとよくわかる表現ね、さすがです。
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