ゼロハリバートンのキャリーバッグ



私はカタログを作っていません。取引先に顔を出すときは、実物を持っていきます。カタログにしろインターネットにしろ、なぜ100円ショップでも売られているお椀が8000円するのかといった、質感の差や持ったときの違いなどが画像では分からないからです。
ゼロハリバートン。1969年、アポロ11号が月から石と砂を持ち帰るときに、ゼロハリの標準モデルが使われました。このキャリーバッグがいちばんポピュラーです。たとえクルマが爆発しても、これに漆器を入れておけば無傷です。飛行機が炎上する温度は約1200度なので、墜落しても漆器は無傷。ということは気密性も高く、雨の日も雪の日も、雨ざらしにしておいてもまったく水は中に入りません。今朝はこの冬でいちばん雪が積もったといっても3センチほどなのですが、せっかくなので放り出してみました。



1平方インチあたり5万ポンドの重さに耐えることができます。たまに出張で電車に行ったときは、縦に置いて座ります。ハンドルを出すと背もたれ替わりになります。また、3桁の数字を合わせる鍵がついていて、番号が合わないと絶対に開きません。Louis VuittonやREMOWAやGrobe Trotterやサムソナイトなど多くのキャリーバッグの中からゼロハリを選んだのは、最も性能と耐久性が高いからです。何かあったときに「もっと丈夫なバッグにしておけば良かった」と後悔することのないものを選びたかったわけです。サンプルが破損したら、また3か月や半年かかります。



ゼロハリは、ほぼ永久に修理できます。ゼロハリに限ったことではありませんが、修理保証してくれるところのものは、なかなか壊れません。修理は受けつけていないとか、修理すると幾らかかるから買い替えたほうがいいですよ、なんて言うところの品質は期待外れのことが多いようです。

使いはじめて5年になります。まったく不具合はありません。帰郷してすぐの頃の私は、髪が50センチもあり、おまけにジーンズとブーツ。どこのウッドストックだよといういでたちでした。漆器屋の出張といえばスーツ(今でも黒や紺ではない絶妙な色のダブルが健在です)を着てカタログとラップトップパソコンを持って飛行機というスタイルがほとんどです。「では後はメールで」とかなんとか言葉を交わして、非常にスマート。しかし私は、これはこういうふうにするものだ、という業界のスタンダードなど無視します。私が大げさなゼロハリに漆器を詰めてわざわざクルマで行くのは、実物で判断してもらうための、できる限りのことなのです。



フタにあたる、深さのないほうには袋に入った着替えや耳栓やアイマスクやパソコンなどを入れ、深いほうに漆器を入れます。仕切りのカーテンがあるので、見えてほしくないものは見えません。ちなみにブーツは後部座席の足許で、運転中はドライビングシューズです。セカンドバッグほどのソフトケース(収納できないときのために、ハンドルに取り付けるベルトつき)と、真っ黒な袋がついていました。ふつうの出張や旅行であれば十分です。現在はガーメントケースがつき、仕切りカーテンにポケットがついているようです。

国際線の機内持ち込みサイズは航空会社によって若干異なりますが、私が選んだZR24は三辺の合計が1405ミリで、だいたい持ち込み可能です。国内線も問題ありません。でも旅行はトートバッグです。

日本法人がないので公認販売店や代理店がいくつかあります。どういう違いがあるのかは私には判りません。ただ、修理や部品の取り寄せに対応しているところで購入すると良いと思います。
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コメント

ゼロハリって

ゼロハリほんとにステキですね。
私も欲しくなっちゃいました★

i様
3年前は柄ものが街にあふれていましたね。歩道の盲人タイルではものすごく揺れていたので中身は入っていないのでしょう。ブームの捏造を鵜呑みにするのは地方独特です。ブームの困るところは、ブームのさなかで既に恥ずかしいですし、ブームが終わると恥ずかしいものに成り下がってしまうところですね。

セブン様
服も楽器も家具も、自分の体に合うかどうかが大切ですね。現在やたら使われる「お取り寄せ」という名の通信販売で購入するのは食品やトイレタリーがいいのかなと思います。すぐにスイッチできますし。
本来ブランドとは品質や耐久性、修理や部品の取り寄せはどこにすれば良いのかといったことを約束する印のようなものだと思います。でもブランドで選ぶという逆転現象が起きていますね。ロゴが入っているだけの粗悪なものは選びたくないものです。

not subject

僕もカタログ通販はダメです。

日用品は実物を見ないと買えません。

あと良いものを長く使いたいです。

洋服、楽器、家具...。

ブランドものというと流行りものだとかミーハーな印象があるけれど、本物のブランドほど飽きが来ずに一生使えるものであると僕は思います。

北海道でキャリーバッグがブームの兆しだってね。
渋谷でブームだったのは3年前かしら。
いま見ると同人誌が入ってそうです。
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