LA PERLA BLACK LABEL



【electronica】

アパレルメーカーやインテリアショップ、カフェやレストラン、ホテルや航空会社など、コンピレーションCDを出す業種はさまざま。音楽でテイストを表現するのが手軽で分りやすいからだろう。ランジェリーでは初めてではないかと思われるLA PERLAのオフィシャルコンピレーションCDを、ジャケ買いした、わけではなく、想像したイメージ及び収録曲に興味を持ったので購入してみたら当りだった。
ラ・ペルラはイタリアのメーカー。1990年代半ばに日本でもブレイクし、江國香織の小説の登場人物が身につけたり脱いだりするようにまでなってしまった。でも高価なので大衆的なブランドになることはなく、イメージは安定している。現在では下着だけではなく服や水着、香水やスキンケアもある。徹底して女性の肌に直接触れるもので攻めているということなのかどうかは判らない。初めてラ・ペルラのブラジャーを手にしたとき、芸術品を鑑賞したときと同じ種類の感動を覚えた。装飾的なだけでは意味がない。職人技とは、それ自体をひけらかすのではなく、機能を満たすために使うものである。

ブラックレーベルというのはCDのタイトルでもあり、ラ・ペルラにおける高級ラインというかより装飾的なラインの名前でもあります。テーマカラーは「深い黒」「ペールトーンの藤色」「情熱的な赤」で、コンセプトはこちらをお読みください。「ディテールへの誘惑」なんて、すてきな表現です。

音は、ブラックレーベルのテイストそのもの。濃密で甘美。むせかえるような芳香。でも暑苦しくない。スムースでシルキーな感触だけれど「プレーン」という言葉が似合うシンプルさや単調さはない。ラグジュアリー度が高い。絶対これから何かが始まる雰囲気。朝の爽やかさやけだるさは皆無。ヨーロッパでもないし、アマンのようなアジアンリゾートでもない。アラブ音階も垣間見えるが、土くささや誇りっぽさはない。下着もとって、ひんやりしたシーツにくるまってアロマオイルでうっとりしているような感じ。ここは一体どこだろう。

収録曲で気になったのは、パブリック・イメージ・リミテッド(P.I.L.)の“This is not a love song”のカバー。リミックスを手がけるのはシーヴァリー・コーポレーション。見事にハイブロウな仕上がり。他にもルー・リードや懐かしのa-haや、これは分りやすいSadeなど、どれもがラ・ペルラの世界観に染め上げられている。リスペクトだかオマージュだか知らないが、原曲より騒がしくなったりアコースティックになったりするだけのカバーやトリビュート、さらには「原曲がすばらしいからあえて変えなかった」とかなんとか言って自分の創造性のなさをエクスキューズするよりも、このようにきちんと色づけされているものが好きです。思い入れがないぶん、原曲を素材として扱っている気がします。

背を向けて振り返り気味にこっちを向いているモデル。目は写っていない。風呂上がりのような髪。下着の特徴を見せるための構図なのか構図が先に決まっていたのか判らないけれど、いろいろな含みを持たせている。黒檀か紫檀が脚の革のソファ、スワロフスキーと思われるシャンデリア、ベルベットのカーテン。全体的にダークトーンで、赤から茶系統。2007年にふさわしいビジュアル。

日本の某ジャズレーベルは、中身はつまらないピアノトリオ中心で、女性の肌を下品に露出したジャケットで団塊世代に人気がある。同じ外国人モデルなのに、ここまで品位に差があるのはおもしろい。というか、情けない。

日本ではワコールが輸入代理店となっているので割と入手しやすい。アイテムは六本木ヒルズの直営店が充実しています。でもファンは、やっぱり日本未発売のものを求めてイタリアを奔走している。でもたぶん、日本向けに作られたものがいちばんいいと思います。ラ・ペルラでラ・ベットラでも、ワコールでクノールでも、自由です。どっちがどうとかありません。

でも、こんなCDのかかってるお店や男の部屋には行きたくないですね。たとえば、高天原山荘(クルマを降りてから徒歩15時間。文字どおり登山。行くには2日がかり)に辿り着き、さらに20分歩いた、日本一遠い温泉と呼ばれている高天原温泉にこれが流れていたら、とても合うような気がします。音楽なんていらないという意見もあるでしょうが、これなら全く邪魔になりません。むしろ風景を一変させます。
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コメント

ハウスいいですね。延々と繰り返される4つ打ちは、量は質を凌駕するというか量が質に変化していくことを体現できます。
ヘルムート・ラングは好きでした。ヘルムート・ラング氏が馘首されてからは一切購入しておりません。
ラコステ、今はどうなのか知らないのですが、宮田識氏による広告もすてきです。ボタン単品は、漫画『Papa told me』によりますと、日頃の行いが良いと出会えるそうです。
私は横に広がりつつあるので、どれも無理になってきました。欧米で細いモデルが叩かれていますが、横に広がった服は単純に美しくありません。モデルではなく服が主役ですから、美しい服を着るモデルが細くなるのは結論として間違いではないと思います。そして、会ったこともなく喋っているのを聞いたことすらないモデルのほうが親より娘に影響を与えてしまうような親子関係は、他にもいろいろ大変だろうなと思います。

ハウス上等!!

ハウス好きです。

おいらも洋服でライセンス生産はイヤでしたね。(今もそうかな)
へ○ムート・ラングとかの小物でもライセンス生産で日本の企業名付のタグだとなんだか気分が萎えた記憶があります。
大好きなラ○ステも純正品しか愛用してないです。ボタンがとれたのですけど何処かでボタン単品売ってないものか(笑)...。
アル○ーニはじめイタリアンブランドはオイラのようなチビッコ体型には、「着る」以前の問題が立ちはだかります...。

>lilla様
いろいろとお詳しいですね。
オリンピックで演っていたんですね。知りませんでした。アメリカの女性歌手が多かったんですね。アリーヤが生きていたら間違いなく選ばれていたような気がします。
ルーはヨーロッパ受けしそうです。「メタル・マシーン・ミュージック」などはドイツ人が喜びそうです。彼を聴くアメリカ人はニューヨークの一部の人間だけではないかと勝手に推測しています。ヴェルヴェッツの2ndのB面は大好きです。シスター・レイなどは「ギターがスピーカーからはみ出てくる」という表現がこれほど似合う曲はありません。
a-haは私が深夜の音楽番組を観るようになった頃、よく流れていました。女子に大人気でした。紋切型ですが、声と見た目が北欧の透明感を象徴していました。アメリカでヒットしなくなったら日本では一発屋扱いですね。
某ジャズレーベルは金沢のような地方都市では大きくPOP展開されています。

>セブン様
私、音楽と文芸のためならネットを駆使します。
バーバリーのあれは三陽商会が企画から手がける、日本人に向けた完全ライセンス商品です。若者向けだから青という単純な話です。そのためデザインに特徴がなく、チェックでごまかすわけです。デザインに特徴がないほうが広く受け入れられますし、わかりやすい「ブランドもの」が人気なので、うまいと言えばうまいです。モードの世界では黒ラベルは高級なラインというのが一般的です。同じジョルジオ・アルマーニでもラベルが黒だと高品質だったはずです。

10年ほど前はジャケ買いしかしていませんでした。毎週木曜日はレコード入荷日なので渋谷まわり、土曜日の午前中は中古屋まわり。8階建てのタワレコに聴きたいものが1枚もなかった、相当おかしな人になっていた頃です。ジャケ買いで雑多に聴くと「なんだかよくわからない」ものと「つまらない」ものの差異が判るようになりました。
。Sade持っていません。顔が魚みたいなので……ごめんなさい。これに収録されているカバーは、割とハウス寄りです。音数は多いですがSueno Latinoみたいな感じです。ボーカルは、スキャットに続いて「スウィーテスタブー」と唄うだけです。

ブラジャー最近見てないな

このようなCDどこで入手するのでしょうか(笑)

ブラックレーベルってバーバリーチックですね。
他のカラーもあるのでしょうか。

おいらはサウンドがわかるアーティスト以外はジャケ買いができないタチです。ある意味消極的なのかも。

収録曲のメンツ見ると安心できました(汗)
sadeは懐かしいですね。おいらは「チェリッシュ・ザ・デイ」が大好きです。思い出したので探して聞いてみよう!

しかし、変わったものを手に入れましたね…。

>ルー・リードや懐かしのa-haや、これは分りやすいSade

ヨーロッパで強い人たちですね。
リードさんはトリノ・オリンピックの余興に登場したほどです…。
もっといい仕事して欲しい…^^;(他のメンツはアギレラ嬢、アヴリル・ラヴィーン嬢、デュラン・デュラン、イタリアの人気歌手たち、でした)。
ルー・リードさんは世界的ですが、a-haはヨーロッパ(とくに北欧、ドイツ、中欧、東欧)ではバリバリ人気の現役ですからね…。

>某ジャズレーベル

言いますね!拍手!!です^^。
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