消費税について

サイトをご覧になってメールで注文いただいた個人のお客さまの場合、消費税をサービスしています。ささやかなおまけというわけです。帳簿には、きりの悪い細かな数字が並びます。

さて、消費税というのは低いほうがいいというイメージがあります。買い物する立場であればそうでしょう。20万円のものは20万円、1万円も余計に払うのはいやだなあ、と思うのは自然なこと。周囲もテレビも「消費税が上がると家計が苦しい」と言っている人が多いですし私もそうです。でも、富裕層も消費税分は支払っています。ふだんの買い物では皆同じです。ではなぜ上がろうとしているのか。国の予算が厳しいから、というのは、あくまでも国民を納得させるための方便に過ぎません。

消費税という仕組みは、そういった生活者の感覚とは無縁のところで絶大なる効果を発揮しています。大企業になればなるほど税率アップを望んでいますね。2011年の時点で16%にすることが経団連の目標のようです。一見、大企業は偉い、真面目だ、お国のことを考えているんだなあ、お金があるからいいよなあ、と思うかもしれません。でも違います。それを説明してみたいと思います。
私が1万円の汁椀を売ったとします。消費税は500円。その汁椀を職人から仕入れたとき仕入額5000円としましょう。職人は250円の「消費」税を納税します。そして私は5250円を職人に支払います。間に入っている人が多ければ多いほど消費税で国が儲かるような感じがしますね。でも実際はそうではありません。日本の法律の場合、最終的な販売価格にだけ消費税がかかります。その間の取引についていた消費税は、還付金というかたちで戻ってきます。つまり、職人に払った250円分が、私のところに戻ってきます。これを仕入税額控除といいます。

(ものすごく簡単に説明しています)

また、私が海外へ売ったとします。海外への輸出には消費税がかかりません。免税です。でも職人には250円支払っています。なので仕入税額控除によって250円が私に戻ってきます。そうです、私は納税していないのに還付金をもらえるわけです。

まとめます。

普通の場合
職人は250円を納税
私は500円を納税
私に250円が戻ってくる

海外へ売った場合
職人は250円を納税
私は免税なのでゼロ
私に250円が戻ってくる

というわけです。ここからが本題です。

1客1万円の汁椀を100客販売したとします。注文いただいた数は国内20客、海外80客としましょう。私も世界的になったものです。まず職人が、1個あたり250円、計25000円の消費税を納税します。私は、国内販売の20個ぶんについて1個あたり500円、計1000円の消費税を納税します。そして海外販売の80個は免税なので納めようがありません。で、私は、仕入額控除によって25000円を還付金で受け取ります。

何か変ですね。でも日本の法律通りに行うとこうなります。
これを莫大な金額で行っているのが、グローバル企業、大企業なのです。

経団連の中枢を成す世界的企業の場合、消費税の納付額を1とすると、還付金の額は7から12です。納税額と還付金の差引は、たとえばトヨタで2000億円ほどの黒字だそうです。消費税率が現在の5%から経団連の目指している16%になったら、単純計算で2000億円の黒字が6400億円の黒字。消費税をかければかけるほど利益が増えるわけです。というわけで、必死になって消費税率アップを働きかけているわけです。

ふだんの買い物で支払っている消費税分は、まわりまわって「日本を支える大企業」の懐に入ります。「金持ちが優遇される」とか「大企業と中小企業の格差が拡がる」というのは、こういう仕組みになっているからなのです。法律を変える力のある人たちは、こういう仕組みを把握した上で、自分たちが悪者にならないように操作していきます。下請け工場や国内展開している企業がどれだけ頑張っても「勝ち組」になれません。

すべての法律は大企業のために変わっていきます。一例を挙げると、法人税が減税される流れになっていますが、中小企業は何ら変わらず、大企業の税率が低くなるだけです。雇用制度の改革も同様。雇用保険料の引き下げも、そんなもの使ってない自営業には無関係です。年収5000万円以上の人の所得税負担率よりも、年収3000万円から5000万円の人の所得税負担率のほうが高いという逆転現象も起きています。そんなことあるわけないと思うかもしれませんが、これも消費税と同じように仕組みがあるのです。とある税率がバブル崩壊後に暫定措置として一律20%から一律10%に半減したまま、表立つこともなくずっと続いています。

私は政治のことにはまるっきり疎く、労組が支持する野党という構図があるのかないのかも分からないくらいです。でも、もしその構図があるとしたら、野党も徹底的に消費税率アップに反対しないのではないかと思います。
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