■素材

私が作る漆器の素材は、木と、樹液と、土と、石と、鉄と、草花の汁です。ものによって、米、銅、金、銀、麻、和紙を使います。体に害がなく、捨てても燃やしても自然に還るものです。水銀やカドミウムが含まれた朱色を使ったり、下地や漆に石油由来の材料を加え扱いやすさとコスト低減を図っていながら、素材は木と漆の「自然素材だけ」と嘘をついて売っているところが山中漆器をはじめ全国の製造者や販売者にも見受けられますが、そのようなことをするくらいなら私は漆器屋をやめます。そろそろ漆器も、使用して良い素材と使用してはいけない素材の明確な基準を設けてもよいのではないかと思います。食べ物を入れる器であり口をつけるものなのに劇物指定されている素材がまかり通っている状態、体にも自然にも優しくないものを作って売っている状態が間違っていると、製造者自身が気づかなければいけません。
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コメント

fukushima様
コメントありがとうございます。返事が遅くなりました。おっしゃる通り、溜塗は熱に弱いです。なので、溜塗のお椀でも内側は黒や朱に塗られているわけですね。

天然漆は使っていると思いますよ。「非天然漆」が存在しませんから(かつてはカシュー塗料などがありました)。でも混ぜ物をしていると思います。廉価なものは吹き付け塗装なので、溶剤(石油)で薄めています。または中国産です。漆は使っているけれど、他のものも(場合によっては漆よりも多く)使われているということになります。つまり、嘘ではありませんが、真実でもありません。また、溜塗や木地呂塗の場合は熱で変色するのを防ぐために「特別なコーティング」をしているものがあります。これは作家や職人による高価な漆のスプーンでも見られることがあります。

「国産丸大豆使用」と謳った醤油に、国産大豆が数パーセントしか使われていないような感じですね。

MR3と呼ばれる、熱と紫外線に強い漆があります。クルマやヘルメットなどの塗装にも使われています。塗りは主に溜や木地呂です。食洗機もだいじょうぶだったような気がします。MR3は京都の漆メーカーが開発したもので、吹き付け塗装で使われることもありますが、廉価ではありません。また、人工的なまでに強い艶が特徴です。MR3(および同種の分子構造破壊漆)を使っているならば、そのことを明記しているはずです。

はじめまして。失礼します。
検索で貴ブログにたどりつき、
勉強させていただいております。
かねてより木のスプーンを探していたところ、
インターネットで溜塗のスプーンを見つけました。
溜塗は熱に弱いと思っていたのですが、
使うには不都合はないでしょうか?
天然漆とあったのですが、本当なのでしょうか?

あや様
こんばんは。コメントありがとうございます。
はじめ、日産の景品やIH調理器やスポーツウェアなどの事例を挙げたコメントを書いたのですが、ほんとうのことを書くとまずいというのが世の常だし、ものすごく長くなったのでやめました。でもIHだけは絶対に使わないほうが良いです。
見極めることが大切で、ほんとのことを知りたい人がいるにも拘わらず、非常に洗練された手法で隠され、むしろイメージが良いことが多いですね。そうじゃなくてほんとはこうなんだと言うとオカルトめいた空気になるし、本人がご満悦なのをわざわざ否定するのも何なので、周囲の人が買い物をするときは何も言いません。ただ、実感として、ちゃんとしたものを選びたいと思っている人が増えて来つつあるような気がします。同じ姿勢の人が集まるというのもあるのかもしれませんが。そうした人たちと情報交換することはとても有益です。水が国を移動することが地球に歪みをもたらしていることや、100年使える箒があることなど、知らなかったことばかり。鰹節削りはどこのものが良いか、なんてのは出汁を使う料理をしない私の範疇外なのですが非常に興味深い話題です。
何かを作り、売り、買い、使う。それら「モノ」はすべて例外なく、使わなく/使えなくなったらゴミです。消費社会ですから。私もその片隅で飯を食っています。ゴミであるなら捨てても害のないものにする。そうすれば人間にとっても害のないものになると思います。害のないものにするのが無理なら回収システムを整えればいいだけです。家電メーカーでもデロンギが実施しています。不可能ではないはずです。修理するより買い換えたほうが安いとか言ってくるときは、何かあります。

kotaさんのそのこだわりはすご~く大切な事だと共感を覚えました。最近いろんな方面で"安全性"が叫ばれ、"カラダにいい"とか"天然"とかいうコピーをよく見かけますが、真に本物であってこそ、ですよね。

本当に信頼できるモノ・ヒトを見抜ける力が(情報が)ますます必要になってきますね。
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