蔦と、似た感じのもの

茶道の世界で好まれる素材のひとつに、蔦があります。
アイビールック、アイビーリーグのアイビーですね。
日本では樹液を煮詰めた甘蔓(あまづら)が、甘味料として利用されていました。
今でも砂糖の代わりに使う土地もあるようです。
蔦の語源は「伝う」から、別名の甘蔓はそこから来ています。
枕草子の「あてなるもの」に、かき氷があります。

 
削り氷(ひ)に甘葛(あまづら)入れて、新しき鋺(かなまり)に入れたる。 


上品なもの
削った氷に甘葛煎をかけて、新品の金属のおわんに盛る。

というわけです。いかにも涼しげ。
メープルシロップみたいな感じでしょうかね。
非常に興味があります。
Wikipediaに作り方が載っていて、簡単そうです。
かなまりというのもいい言葉だなと思います。
金属でできた、毬のような丸いボウル、というのがすぐ判ります。

古い洋館に蔦が絡まっているのを見たことがあると思います。
甲子園球場のあれですね。
真似して日本の住宅でやるのは、おすすめできません。
蔦の生命力のほうが、一般的な日本の住宅よりも強いのです。
外壁が煉瓦や石の洋館でないと、外壁がぼろぼろになります。

蔦を伐ると、断面に放射状の模様がついています。
なんといっても蔓なので年輪の中心が抜けてとれることがなく、
木理がおもしろいことから、輪切りにしたものを使います。
うちにも香合は常にストックがあります。

これは棗です。

いわゆる木でもなく草でもない、蔓であることが判ります。
蔓をくり抜くのは割と手間がかかります。
底と内側は下地を施し、黒塗りで仕上げています。

香合はサイトのProducts lineup→Teaism→香合の
中段左にあります。

模様を楽しむものなので、圧倒的に拭漆仕上げが多いです。
下地をして黒や朱に塗ったものは見たことがありません。

先日、お客さまから変わった樹種をあずかりました。
これで、あるものを挽いてほしいとのこと。
どれも放射状の模様があります。


南天。軍艦の雲丹か、カスタードのタルトか。


葡萄の樹。蔦と似ています。蔦もブドウ科だからです。


青木。断面を見るのは初めてです。

ふだん扱わない材料を持ち込んでいただき、
何かを作ることも楽しい仕事です。
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