月の光さす ウマイヤ朝時代のスペインの音楽を、古楽器で



【early music】
Alpha521“Rayon de lune”Aromates Michele Claude

alphaレーベルの白ジャケット(カタログ番号500番台)はおもしろいものばかりで全部聴きたくなる。でも品切れが多くて「すごくいいよ」という声だけしか私の耳に入らない「ミルテの庭」も、まだ購入できていない。で、これは「ミルテの庭」と似たような感じということなので、予約しておいた。

「スペインの音楽を古楽器で」というのは一見何もおかしなところがないように思える。だがウマイヤ朝(661年?)はイスラム王朝だ。なので、イスラム音楽をキリスト教の楽器で演奏している。そこにこのアルバムの特異性がある。三味線でロックとか、邦楽器でジャズとか、そんな色物とは異なる。それらは、明らかに「組み合わせてみました」感が強い。ロックを演ろうがやっぱり明らかに三味線である。竹でガードレールを繋ぐというか、ランドセルが歩いてるよという感じ。

しかしこのアルバムは、アラブ音楽でもキリスト教クラシック音楽でもない、どこにもない音楽を創出している。でありながら、明らかにアラブ音楽であり、古楽でもある。どっちに転ぶのかは僅かなことというか表裏一体であるかのような錯覚に陥る。

これがいちばん大切なことなんだけれど、聴いていてとても楽しい。こういうの大好きです。いまの正統的なクラシック(←トートロジー)楽器では、どうがんばってもこの妙なる響きは出せない。

CDを再生すると、軽快な打楽器の音から始まる(17/8拍子!)。これは西洋でもアラブでもない。そこにいかにもアンダルシアな音色の弦楽器が絡まる。まだ西洋でもアラブでもない。イベリア半島だ。そして管楽器が加わり、世界はがらりとアラブになる。という最初の20秒で当たりを確信します。

一体どんな音楽なのか私の説明ではさっぱり解らないと思うので、興味を持った方は輸入代理店の詳細ページをご覧ください。


Alpha公式サイト
CD詳細ページ
(↑ページ右側にある“Listen!”をクリックするとmp3で試聴できます)

ついでに他の白ジャケも聴いてみてください;
Alpha522“Trobar”
Alpha523“Paris-Istanbul-Shanghai”
Alpha524“Alla Napoletana, Villanesche & mascherate”
Alpha525“Alpbarock”
Alpha526“Les Witches”

参照Wikipedia;
イベリア半島
西ゴート王国
西ゴート族
ウマイヤ朝
アラブ人
ズィンミー
レコンキスタ
アラブ音楽

Alphaレーベル記事
その1 その2 その3
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コメント

lilla様
こんにちは。コメントありがとうございます。そういえばlillaさんはエスクァイア→アルファで拙ブログにいらっしゃるようになったのでしたね。打楽器の音が減衰していくところや声などは、他の試聴に慣れた耳だと驚きますね。あまりに良すぎて「これでいいや」って聴いた気になるくらい良いです。でも、たとえば料理の試食はポーションが少ないだけで味は同じですが、音楽の試聴はそうではないですね。って、そんなこと百もご承知ですね。

スペインバロックといえば、ドイツ・ハルモニア・ムンディの50枚組だとdisc11が、単品での評価も高いようです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881585
古いものは演奏者によってがらりと感触が変わるところも聴く楽しみのひとつですね。まあ、ハズレもあるわけですが……試聴できるようになってありがたい限りです。とはいうものの、ジャケ買いしてハズレだったときのやり場のない何とも言えない気持ちが懐かしかったりもします。

たかが試聴されど試聴

試聴してみました、こういう「試聴できます」の音とは思えぬ音質ですね。これは素晴らしいです。仰るとおりalphaの品切れは多いので結構悲しい思いします…。

昔、NHKFMの早朝のバロック音楽番組をテープに録って聞いていたことがありましたが、そのころからスペインものは好きです。
なかなか国内盤にはスペインバロックがなかったのが悩みでしたが、今は良い時代になりました。
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