KAWADE道の手帖 倉橋由美子 夢幻の毒想



河出らしいセレクトの「道の手帖」シリーズ。倉橋由美子が出た
単行本未収録で「聖少女」の原型となった130枚の中編「わたしの心はパパのもの」めあての購入。他のものはおまけ。「女流作家」という言葉につきまとう何もかもが、倉橋由美子にはない。むしろ攻撃の対象となっている。大変な人である。文壇は理解不能だから抹殺し続けた。

002 川上弘美 桜庭一樹「今、なぜ倉橋由美子なのか」
009 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「小説」
010 倉橋由美子「わたしの心はパパのもの」
052 小池真理子「私たちの旅」
055 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「学生運動」
056 穂村弘「思春期の薬」
058 峰飼耳「架空の愛を組み立てる」
060 倉橋由美子エッセイ・コレクション「新しさとは何か」
063 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「宗教」
064 倉橋由美子エッセイ・コレクション「性は悪への鍵」
068 倉橋由美子エッセイ・コレクション「酒と茶」
071 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「漢詩」
072 鹿島田真希「ハネムーン」
086 倉橋由美子エッセイ・コレクション「倉橋由美子のウィット事典」
095 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「美食」
096 千野帽子「文学少女殺し。 倉橋由美子と「小説」
105 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「土佐」
106 陣野俊史「精神の王族とその系譜」
117 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「老女/少女」
118 松浦寿輝 古屋美登里「今こそ、倉橋ルネッサンスを」
126 栗原裕一郎「倉橋由美子と江藤淳」
135 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「オント」
136 齊藤愼爾「孤島の作家」
139 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「旅」
140 村松友視「“自然体”を貫いた女性文学者
142 斎藤由香「倉橋先生の「カクテルストーリー」」
146 豊崎由美「いつかきっと、倉橋さんと“シュンポシオン”」
148 倉橋由美子エッセイ・コレクション「倉橋由美子の人生相談」
155 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「育児」
156 野崎歓「倉橋由美子と翻訳をめぐる覚え書き」
163 倉橋由美子をめぐる12のキーワード「映画」
164 五所純子「毒想日記」
172 全著作解題
185 自作年譜

エッセイ、特に「倉橋由美子のウィット事典」は、とてもとてもおもしろい。私も身につまされるものがいくつかあるし、やっぱり別格だなあというか、ものの見方がすばらしい。

栗原裕一郎「倉橋由美子と江藤淳」と、鹿島田真希「ハネムーン」は不要。資源の無駄。

「はじめての文学 山田詠美」とかも読書に慣れていない人を新規に取り込むにはいいのかもしれないけれど、あれは中学一年生が手にするものであって、これくらい読み応えがないと小説や文学に興味を持った大人に対して小説家への水案内にならない。

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コメント

tariko様
はじめまして。来訪&コメントありがとうございます。LINさんとkyokyomさんも粋なことをされるというか何というか、読書でつながるのはすてきでありうれしいです。
「わたしの心はパパのもの」は、習作かもしれないという危惧を僅かでも抱いた私が大間違いであったことを思い知らされる絶品でした。正仮名遣いですし。
倉橋由美子は絶版が多くて困ったものですね。まさしく彼女が言っていた、大衆的な俗物ほど売れて広く普及することの裏返しです。この号も倉橋が亡くなったからこそ出せたものなのかもと思うと、なんだか複雑です。倉橋が存命中だと、評論家と呼ばれる人たちは何も言えなかったような気もするからです。
静岡でのオペラ、私も観に行きたい気持ちはやまやまです。間宮芳生作曲とのことで、日本の民族音楽である民謡的なのか、西洋の正統的なクラシックなのか、はたまたどちらでもない現代音楽なのか、とても興味があります(オペラや舞台音楽もたくさん作っている人ですが、それらは聴いたことがないんです)。

はじめまして

kotaさん、はじめまして。tarikoと申します。
LINさんとkyokyomさんから、こちらの記事をご紹介いただいてやってきました。
思春期に、倉橋由美子の著作に刺激を受けた者の一人です。
なので、著作がずらりと並んだお写真が眩しいです。(綺麗ですね)
この特集、私も購入し、「わたしの心はパパのもの」、楽しみました。
2008年は倉橋作品の復刊もあり、再評価の年になったような気がしています。
来年には静岡で「ポポイ」がオペラとして上演されるそうで、観にいけたらいいなあと思っています。

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