DEAN & DELUCA Living with Food



そりゃまあ“Living without food”な人はいないわけだけれど。
私はレシピ本を1冊しか持っていない。イタリア料理の基本が載っているPHAIDONの“THE SILVER SPOON”だ(リンク先で少し読めます)。1300ページ近い大型本でレシピは2000以上載っているので、これがあればだいたいだいじょうぶ。他を購入する必要がない。とはいってもこれは英語とイタリア語とフランス語のトライリンガル表記なので理解に時間がかかるというか、解らない単語に出くわすことが多い。そしてイタリア料理だけである。もっと簡単なものや和食やフランス料理やトルコ料理やインド料理や東南アジアのさまざまな国の料理は、だいたいネットで済ませている。この本はレシピ本ではないので購入してみた。

ちなみに今レシピ本を同じ1890円で購入するなら「別冊家庭画報 クイーン・アリスの永久保存レシピ」だろう。10万部だか30万部だか売れているとのこと。私は前述の通り、イタリア料理に関しては“The Silver Spoon”一冊で事足りるので用がないです。

この本はディーン&デルーカの歴史や概要を紹介する本ではない。レシピもおまけのようなものだ。オリーブオイル、野菜、果物、チーズ、ハム、ワイン、鰹節などを作っている「職人」のところへ行き、その営みを綴る。食い込みが足りない感じがするというか何も知らない人に合わせた内容のように思えるところがいくつかあったけれど、むしろ私がそう感じなかったところは私が何も知らなかったことなのだろう。というわけで役に立ったのでブログで紹介した次第。

紹介されているのは

オリーブオイル&ジェノヴェーゼ
ヴェントリーノ・バルトロメオ社(リグーリア州ディアノ・サン・ピエトロ)

オリーブオイル
イル・ローズマリーノ社(リグーア州ゾアーリ)

ベジタブル&フルーツ
プルノット・マリアンジェラ社(ピエモンテ州アルバ)

クラテッロ
アル・ヴェデル社(エミリア=ロマーニャ州コロルノ)

バルサミコ酢
コンパニア・デル・モンターレ社(エミリア=ロマーニャ州サッスオーロ)
レオナルディ社(エミリア=ロマーニャ州マグレータ)

ワイン
ラッド ヴィンヤーズ&ワイナリー(カリフォルニア州オークヴィル)
ケークブレッド セラーズ(カリフォルニア州ラザフォード)
キーパー ヴィンヤーズ(カリフォルニア州ヨントヴィル)

だし
うね乃株式会社(京都)

かつお節
有限会社坂井商店(鹿児島県指宿市山川)
協栄鰹節加工協同組合(鹿児島県指宿市山川)

各社の職人の名前もひとりひとり紹介されている。

ニューヨークのソーホーで産声をあげたディーン&デルーカは、教師であったディーンが、料理好きが嵩じていちばん好きな食材であるチーズの店“The Cheese Store”を1973年に始めたことから始まる。教職はすてた。そんなわけでニューヨークなのにイタリア的なのは、ディーンの嗜好による。

そして1977年、友人で出版社に勤めるデルーカと、ディーン&デルーカを始めた。友人で画家のセグリックが、店舗デザインやグラフィックデザインなどすべてを手がける。こうしてできた「見ていて楽しくなる店でも美しい店でもなく、手にとりたくなる店」は、30年で世界へ広がった。バルサミコなど使わないアメリカで、ディーンは地道に試食してもらった。

そんな彼らの思いが綴られた本。なので、概要や歴史の紹介ではない。そして、思いを語るときに食材が俎上になっている。先日食べた、貴腐ワインに漬けたレーズンをチョコでコーティングしていたものは相当おいしかった。単純にオリーブもおいしい。日本で気軽に買えるオリーブの中では最高のものだ。

後半は簡単にできるレシピが30品。おお、こないだ葉山で食べた三種のオリーブと松の実のやつはこれか、というわけで、ちょうどタントテンポでもらってきた空き瓶もあることだし作ってみた。一晩置く。葉山で食べたのとも違うけれど、これもまあまあ美味しい。

イタリアの濃い緑の小粒なオリーブ、イタリアの中くらいの緑のオリーブ、スペインの黄緑色で大粒なオリーブ、そしてブラックオリーブの4種類。鷹の爪、にんにく、ローリエ、トマトピューレ、胡椒の粒、松の実(本書に記載されている材料とは異なります)。煮沸した瓶にそれらを入れ、エクストラヴァージンではないオリーブオイルをひたひたになるまで注ぐ。気休めに瓶を振って混ぜてみる。香りの豊かなエクストラヴァージンではないオリーブオイルか、グレープシードオイルが良いとのこと。オリーブオイルに香りが移ったら食べごろ。だいたい一週間。メリークリスマス。
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