Hakone85

出身校を尋ねられたとき、訊いてもないのに学部まで答えるところが日本にふたつだけある。中央の法と日大の芸術。それでも箱根のときはオール日大である。要は都合良く使い分けているのだ。オリンピックのときなども日大(出身)というだけで勝手に親近感を抱く。箱根に関してはものごころついてから優勝していないので、まあなんていうか単なる常連校に過ぎない。
数年前は優勝候補にも挙げられていたけれど、今はもうシード落ちしなければいいかという感じ。駒が揃わないのだ。箱根に出て知名度を上げようとする新興大学が増え、有力選手の分散化が広がった。そんなわけで日大の見ものは外国人によるごぼう抜きだけという山梨学院状態。

優勝候補駒澤の3区は目を疑った。評価の低かった順天堂が評判通りなのにも驚いた。中央の帳尻合わせというか中位力というかシード確保は例年通り。国士舘のアンカーがゴールするときにガッツポーズしていたけれど、彼は順位を間違えていたのだろうか、それとも学連は順位に入らないと思っていたのだろうか。からかわれていないか心配だ。しかし今年は何といっても山の神童、東洋の柏原。歯を食いしばって坂を登って抜きまくる姿は、スポーツ科学とか最先端のトレーニングとかで強豪が忘れてしまった闘争心にあふれていた。

端的に言うと、感動した。

あの表情を「苦しそうですね」と言って「オーバーペースですよ」と言った、解説の瀬古利彦。早稲田びいきの解説はむしろ箱根の風物詩である。すべてが裏目に出るという点で、ねたとして聞いていれば腹も立たないしむしろおもしろい。

一方、記録を更新された“山の神”今井は冷静に解説していた。立派な人である。

今年は駒澤と早稲田の一騎打ちという前評判で、二校しか取材していなかった。東洋の情報はほとんど入手していなかった。なのでなおさら早稲田寄りの実況と解説だった。各校のエースが揃う2区ではなく、エースを3区に外して起用した早稲田と東海は、私の中では評価が低くなった。2区と3区は距離が1.7km違う。竹澤を2区で走らせていれば早稲田は優勝したかもしれない。ちゃんとエースをぶつけてきた中央学院は偉い。

順天堂、駒澤、亜細亜。21世紀になってから優勝したすべての大学がシード落ちという波乱の大会だった。亜細亜はしばらく駄目な感じ。順天堂も低迷期。駒澤はすぐに復活するだろう。いずれにしても体育系の学科がある大学は良い成績をおさめないと、経済学部があるのにFXで損失を出すのと同じくらいみっともない。防衛大が予選落ちを続けているところも何とも言いようがない。

テレビをはじめとしたメディアと広告会社には早稲田と日大芸術出身の人が多い(あとは東大と慶応義塾が圧倒的なのだけれど箱根とはあまり関係ない)。そのため(順位や集団形成にもよるけれど)えてしてふたつの学校が映る時間は長い。ということは、大学が知名度を上げたい場合、出場するのは大前提。しかし出るだけでは空気っぷりを晒してしまうことにもなりかねない。日本テレビと読売新聞へ就職する数を増やせばばっちりである。

今後10年くらいのうちに、創造学園大学、麗澤大学、松蔭大学、このあたりが出場する気がする。うかうかしてると全入時代に突入し、首都圏の大学でも倒産するところが出てくる。50年後もあるかどうか。地方の駅弁大学はなくならないし、地方(関西中京圏を含む)の私立が最もあぶないのだけれど。

画像、知人友人の出身校にだけ線をひきました。

hakone85

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コメント

lilla様
瀬古氏解説が嫌な人はテレビの音声を消してラジオをつけていますよ。私としては瀬古氏がいなくなるのは寂しいです。彼が解説をしている間に一度は早稲田が優勝してほしいとさえ思っています。

日大駅伝部は、どうもピークが早くて箱根で疲弊しちゃっていますね。こないだ出雲で優勝したチームとは思えないです。いっそ箱根でシード落ちして、出雲は辞退して箱根の予選会をがんばるほうが良い結果になりそうな気もしないでもないです。

箱根駅伝は関東学連による関東大会ですものね。全日本のほうが格上なのでしょうが、全日本や出雲でも関東の大学が圧倒的に強いです。全日本は、関東以外に翌年シード権を獲得した大学がありません。出雲は歴代優勝校に関東以外がありません。才能の東京一極集中は駅伝だけではなく、オリンピック出場選手なども東京の大学がほとんどです。フィギュアは名古屋だったり冬期になるとまた話が違いますが。

なので私は、サッカーにたとえると、全日本や出雲はクラブワールドカップ、箱根はユーロやヨーロッパチャンピオンズリーグみたいなもんだと思っています。

全日本があるので、関西の人には関西ローカル大会をもっと盛り上げるしか方策はないでしょうね。出雲は岩国哲人市長が思いついて始めた大会なんですよ。まだ20年経っていません。小さな小さな地方都市が始めた大会なんです。これが地方振興ですね。で、関西大会をやる時期については、長距離は真冬がベストで、他の大会と時期が近くても駄目なので、私は1月2・3日しかありえないと考えています。全日本が朝日で箱根が読売なので、産経か毎日になってしまうわけですが……。関西ローカルで放送すればそこそこ行くのではと思います。サンテレビの阪神戦のように。

箱根は、都心、湘南の海、箱根の山と、風景にバリエーションがあるところも人気のひとつだと思います。距離も200km超と長いです。全日本は100kmほど、出雲は40kmほどですし。関西学連はびわ湖駅伝を箱根と同じくらいのイベントにしようと関西以西の大学が参加できる大会にしちゃったりして迷走気味です。ちなみにこれも読売新聞です。びわ湖駅伝を拡大して、ゴールを大津にしないでそこから京都と奈良を経由して高野山でゴールすれば、そこそこ箱根的なおもしろさが出るかもしれません。

箱根よりも質が高くておもしろければ、視聴者はそっち観ます。

大学女子は立命館が強いですね。

かつては青森から東京までの東日本縦断駅伝(読売新聞)があり、いまでもやっている九州一周駅伝(西日本新聞)は世界最長の駅伝です。なので距離が長ければ人気が出るわけでもなさそうな気もします。

日本大学と國學院にお詳しいですね。でも、日本大学が先なんですよ。私が入学した年に日本大学は100周年で、楽しくも何ともないイベントがいろいろありました。その翌年、國學院が100周年を宣言しました。そんなわけで、母体となった皇典講究所の設立が1882年、日本法律学校が1889年、國學院が1890年です。

・皇典講究所は神職者を養成するところだった
・現在の國學院は神職を育てる大学
・日本法律学校は夜間だった

というパーツの組み合わせだと國學院が先に思っちゃいますね。

皇典講究所の所長が初代司法大臣だった(お孫さんが藝術学部映画学科の先生です)ので、ついでといっては何ですが夜に法律を教えはじめたのでしょう。その後、国学を昼間に教えるようになったわけです。あと割と多い誤解は、皇典講究所と國學院が直系というものですね。名称変更したのではなく、皇典講究所は神職養成機関で、そこに国学を学ぶ國學院を設立したんです。あくまでも皇典講究所は母体で、國學院と日本法律学校は同じようにその後独立したんです。

でも皇典講究所はGHQにより解散し、事業が國學院と神社本庁に移管されたので、國學院が受け継いでいるとも言えなくもないんですよね、ややこしい。まあどっちが先であろうがその後と今後の大学の中身とは無関係です。どんな事象にせよ、長い歴史を持つ方が偉い、というふうには思いませんので。

國學院や近大と姉妹校という実感は在学中にはなく、四芸(多摩美、武蔵美、造形、日藝)とか八芸(藝大、多摩美、武蔵美、造形、女子美、武蔵音、国音、日藝)の括りでの活動や交流ばかりでした。

箱根も往路は箱根神社を目指すので、縁があってほしいものです。

>早稲田寄りの実況と解説

そして意味もなく早稲田が映る。これ、大不評です。
老親と見ておりましたが、東洋大が抜きさったとき「ザマミロー!」と年寄り二人がガッツポーズ^^;。楽しい両親です^^;。

でも箱根駅伝というイベント自体、関西などの方には「関東ばかり…」と複雑な感慨をもつ方が少なくないそうですけどね。

そういえば知り合いで日大の駅伝の追っかけをしている人がいるんです。毎年「うーん、ピークを10月(出雲)とか11月(伊勢)に持っていってしまうのかなー」と残念そうです。
確か日大はもともと神社系の学校からスタートしてるので(国学院の夜間部が前身だそうですね)、まあ、ご縁があるのかも、と^^;。
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