ミュンヘン・クリエイティブ・ビジネス・ウィーク Munich creative buisiness week



全ての人のための、一脚の椅子はあるか?
デザインは私たちのアティチュードに影響を及ぼすか?
 


 



宮廷都市として歴史が長く、バイエルン州立歌劇場はドイツ語圏における名門として名を馳せ、学術都市としても評価が高く、なおかつBMWやシーメンスなどが本社を構える経済都市でもある、ドイツ第三の都市、ミュンヘン。そこで、今年から新たなイベントが始まります。ミュンヘン・クリエイティブ・ビジネス・ウィーク。期間中は街全体がデザインイベントで染められるようで、ほんとうに盛りだくさんの催しがある。日本の、とにかく展示する場所と点数が多ければ「大きなイベント」と捉えがちな傾向とは全く異なる。

デザインを研究している人や、デザインによって生計を立てている人が、デザインイベントに足を運ぶ。それは日本でもよくあることだ。でも、日本のそれと海外とでは、決定的に違う。同業者が、足を止めて、数時間その会場に居続け、何かを「知る」ことなど、日本のイベントでは滅多にない。たまにトークショーなどがあるけれど、たいてい目玉のトークショーはひとつ。ドイツのデザインイベントは、それよりも遙かに質の高いシンポジウムが、数多く開催されるのだ。質が高くて濃い。日本の場合、原則として販売禁止の場所でも、何とか受注をとるために出展者はあの手この手で「努力」する。

日本人が思い描きがちなメゾン・エ・オブジェなどは、デザインイベントではない。あれは単なる「見本市」だ。メーカーとバイヤーのだまくらかし合いの場に過ぎない。デザインのイベントとは呼べない。でも日本のデザインコンシャスな人たちは、メゾンとサローネとアンビエンテだかフランクフルトメッセだかにしか興味がない。見本市ばかりだ。なぜか。その手の人たちにとっては、デザインが、研究の対象ではなく、商売の手段だから。そしてこれは致命的なのだけれど、英語すらできない。シンポジウムに「出席」しても、何を話しているのかさっぱり解らない。なので、そんな質の高いイベントなどは存在すら知らず、手っ取り早く見本市で「実物」を見るだけとなってしまう。そしてやることといえば買い付けか商談。どこかの新商品をいちはやく見たとかいった話で盛り上がる。そういうのに出展しない作り手のことは、一生知ることがない。



2011年、ミュンヘンにエジプト美術館ができたそうだ。キュレーターの方から伺った話なので詳しいことは判らないのだけれど、まだ収蔵品だか展示品だかがフロアに陳列されておらず、ってことはショーケースもまだ組まれておらず、がらんどうだそうだ。で、今回のミュンヘン・クリエイティブ・ビジネス・ウィークにおいて、日本のクラフトを紹介する場としてエジプト美術館を使用することになったとのこと。なぜエジプトなのかというと、そんな理由らしい。

エジプトといえば、エジプト神話。キリスト教やユダヤ教ができるよりも遙か昔からあった神話だ。エジプト神話に出てくる神の中に、12月25日生まれで、処女から産まれ、厩で生まれ、12人の弟子がいて、磔にされ、死んでから三日後に復活した、という太陽神ホルスがいる。キリスト教徒は絶対に認めないだろうが、キリストという「存在」のネタ元である。もちろん世界中に類似の神話はあっただろうし、どれがオリジナルかは様々な利害が絡んでることもあって永遠にはっきりしないだろうけど、はっきりしてるのはエジプト神話のほうがキリスト生誕よりも三千年くらい前ってことだ。

キリスト教を認めてもらおうと「努力」し、いつしかキリスト教だけが唯一絶対となり、どんな宗教でもオッケーだよと「他者を認める」エジプトのこともキリスト教側は認めず、ローマ帝国は迫害した。その後継である神聖ローマ帝国の跡地にできるエジプト美術館、というのが何とも興味深い。イシスがホルスを抱く像も展示されるのか、イベントが終わってからのエジプト美術館に興味があります。

そんなわけで私の漆器が数点ではございますが展示されます。
1か月ほど先のイベントですが、海外ということもあって早めにお知らせ致しました。
お近くへお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。

Munich creative buisiness week 公式サイト


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