ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI 東洋-西洋2




以前、SACD単体ではなくレーベルをご紹介したことのあるアリア・ヴォックス。その中で愛聴盤のひとつとして挙げている「東洋-西洋」の、まさかの第2編が7年経って出ました。

今回はシリアに焦点を絞った内容。世界で最も古い歴史を持つと言われ、ギリシャ、ローマ、オスマン、といったところからの支配を受けてきたシリア。その音楽は、やっぱりさまざまな文化の影響を受けています。まさしくサヴァールの「東洋-西洋」にうってつけの土地というわけです。演奏するミュージシャンも、サヴァール率いるエスペリオンXXIを中心に、シリアにギリシャにレバノンにイスラエルにトルコと、東洋と西洋の音楽家がごたまぜ。



いわゆるクラシック音楽ではないし、古楽でもない、アラブ音階が非常に心地良い、素朴に見えて非常に高度な技巧という、軽く聴くこともできるし聴き込むこともできる一枚です。そして、地中海の音楽を演奏して録音し続ける、少し前まではイスラム支配下だったスペインのサヴァールは、シリアへのオマージュという副題にふさわしい、すばらしいブックレットまで作っています。ここまですれば、オマージュというにふさわしいものと言えるでしょう。主な言語で、何と400ページ以上に亘ってシリアの歴史を綴っているのです。これがオマージュであり情熱であり、その国のことを知ってほしいという動機があるからこそやってしまうことなのだと思います。

そんなサヴァールの真摯な姿勢に私は心を打たれます。



紹介するタイミングを逃してしまった、東日本大震災のチャリティも兼ねた「イスパニアと日本の対話」では、解説こそ簡素ですが、ケースが屏風になるという荒技まで披露しています。これも、日本文化への理解があってこそ、そして商売を考えずにやってしまう姿勢や情熱があるからこそ、ではないでしょうか。

ほとんどがSACDハイブリッドでリリースされるので、音も素晴らしい。
音よし選曲よし演奏よしの三方良しの外れなしです。

Alia Vox:公式サイト
Amazon.co.jp:東洋-西洋 2 シリアへのオマージュ



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