Juana Molina / Wed 21



アルゼンチンの音響派、フアナ・モリーナ。
初の完全セルフプロデュース。
 


フアナはシンガーソングライターでエレクトロニカの人なのだけれど、何しろ1962年生まれなのでかなりの年齢でいらっしゃる。南米ではかなりの知名度を誇るテレビタレントだか女優だかで、南米の映画はおろかテレビ番組などは日本で知られるはずもなく、私も知らない。歌手(というかシンガーソングライター)デビューは割と遅くて1996年。とはいうものの、もうキャリアは20年になるというくらいだ。イギリスでのディストリビュートは、あのドミノレコーズ。サイケデリックやシューゲイザーや音響派が多いレーベルで、ギャラクシー500やペイヴメント、パステルズなどもドミノ。現在はアークティック・モンキーズやフランツ・フェルディナンドといった踊れるロックや、フォーテットのようなエレクトロニカをも網羅している。日本のミュージシャンでは渚にてがドミノだ。という面々から、どのようなレーベルなのかお判りいただけるかと思うし、お判りにならない方はフアナ・モリーナの音楽も不要だとまでは言い切れないからこそ、こうして紹介しているわけであります。



エキセントリック、あるいは無垢という形容がなされる女性ミュージシャンは多い。多いのだが、たいていは想像できうる。場合によってはこけおどしもある。私もそろそろいい大人なので、ヤングなミュージシャンのハッタリなぞすぐに「疎ましい」と感じるくらいに分ってしまう。で、フアナの得体の知れなさは、ほんものだ。このアルバムから先行発表された曲がYouTubeにあるので、お時間のある方はご覧ください。なんというビジュアルでしょうか。そして50代とは思えぬ声色。大草原が広がるアルゼンチンですくすくと育った、初夏に似合うオーガニックで素朴で美しくて爽やかで透明感溢れる女性ボーカル、なんてのを期待すると、大後悔いたします。


YouTube:Juana Molina “Eras”

というわけでCDのアートワークもそんな感じだ。
酸いも甘いも知った大人の女性が、顔のパーツをタイトルの文字にしている。
これはかなりあれだ。やばい。
中身は、音色を考慮に入れなければ割と素朴な歌だったりもする。
なので聴きやすい。聴きやすいのだが、違和感が煮こごりのようにたまる。
それが一体どういうことなのか確かめたくて、また聴いてしまう。




フアナ・モリーナ:公式サイト
Amazon.co.jp:Wed 21


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