『アムステルダム』『ロリータ』『段階』『ネクサス』

lolita

楽しみにしていた若島正訳『ロリータ』だけど、期待はずれ。
それよりもヘンリー・ミラー『ネクサス』にびっくり。
ビュトールの『段階』は『心変わり』よりもシンプルな構造。
ナボーコフ『ロリータ』を純愛物語の傑作と思っている人は、この原文の書き出しを朗読してみてほしい。ふたつめの文で炸裂する音韻の連続。唇に快感が走る。これが、ドストエフスキーを「いかがわしいキリスト教観を持つ深みに欠ける精神。それを絶対的なものとして押しつける。文学的決まり文句の荒野」(『ロシア文学講義』)と一蹴したナボーコフの凝りに凝った文章だ。蝶の採集をするように、チェスの駒を動かすように、ナボーコフは言葉を選び、紡いだ。
 

Lolita, light of my life, fire of my loins. My sin, my soul.
Lo-li-ta: the tip of the tongue taking a trip of three steps down the palate to tap, at three, on the teeth. Lo. Lee. Ta.


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