小杉奈緒 ninigi



月のような太陽からあたたかな涙が流れ、大地に降り注ぎ、生き物たちは潤い、たゆたう河となり、広く深い海となる。

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Jan Garbarek Group/Dresden



【ECM, jazz】

ヤン・ガルバレクの二枚組ライブアルバム。澄んだ空気の中に響き渡る美しすぎるソプラノサックス。空気を変えるというのはこういうことをいうのだなと実感。冬にぴったり。ガルバレクの音色が加工されたものではないことは、ライブに行けば判ります。私は2002年に東京オペラシティで聴きました。

ECMといえば、ようやく今月に入り、ジャケット写真集第二弾“Windfall Light: The Visual Language of ECM”が日本でも入手可能となりました。第一弾"Sleeves of Desire”は異常なまでに高騰しましたが、今回はそんなことにならずちゃんと部数があるようです。1996年以降にリリースされた作品のアルバムジャケットを、CDよりも大きなサイズで印刷してある写真集。眺めるだけでとにかくうっとりします。

Les Withces/The English dancing master:No-body's Jigg 



【classic, early music】

全然見つからなかったALPHAレーベルの白ジャケットのひとつ。現在までの全カタログを別冊に加えて格安で再発。ザ・イングリッシュ・ダンシング・マスターというのは、1651年にイギリスのジョン・プレフォードがまとめたダンスのステップ集とのこと。そのステップと身振りのための楽譜もついていた。これ一冊あれば社交界だか卒業パーティだか七五三だかもばっちりだったのか、1728年の18版まで出続けた。そんな舞踊曲をフランスのグループ、Les Witchesが演奏、アルファのきらきらして厚みある音色で楽しめる。

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Maher Shalal Hash Baz/C'est La Derniere Chanson



【J-Pop】

旧約聖書を読んだことのある人ならおなじみの、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ。通称マヘルは音楽家であり陶芸家でもある工藤冬里氏によるユニット。まともな日本人ミュージシャンの宿命でもあるかのようにやっぱり日本国内よりも海外のほうが知名度も評価も高い。レコード会社との契約も海外のDominoだ(サイケデリックの隠れた名品をリイシューしてくれるので大好きなレーベルだ)。ネットが発達してそうした傾向は超加速した。正直海外での評価とか別にどうでもいいんだけれど、こう書いてあるのとないのとでは印象が変わるのもまた日本人である。この新譜「セ・ラ・デルニエール・シャンソン」はCD2枚組で全177曲。打ち間違いではありません、全177曲。ちなみに日本盤はアウトテイクを集めたCD3も含めた3枚組で全237曲。

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Jon Balke, Amina Alaoui/SIWAN



【jazz, ECM2042】

多国籍ジャズ。っていうか、これもまたモダンジャズマニアからすればジャズではないと烙印を捺されるのでしょうね。ノルウェーのピアニスト、ヨン・バルケのリーダーアルバム。モロッコの歌手Amina Alaouiが作詞と作曲の一部を手伝った模様。他にメンバーはメンフィスのトランペッター、アルジェリアのヴァイオリニスト、古楽界のヴァイオリニスト、さらにHelge Norbakkenなるパーカッショニストに、Zarbというたぶんエジプトあたりの太鼓も加わり、おまけに古楽のヴァイオリニスト率いる12人編成の弦楽アンサンブルまで従えた、パート紹介だけでは何が何だかさっぱり判らないであろうアルバム。

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Tony Allen/Secret agent



【world】

アフロビートを広めた人といえばフェラ・クティと、この人トニー・アレン。いわゆるアフロビートはナイジェリア出身のフェラが確立したもの。アフリカの音楽と「アフロビート」は異なる。中古屋と名古屋くらい違う。ファンクやソウルやジャズやガーナ生まれのハイライフなどと渾然一体となった強力で高温なリズムに、ギターとキーボードがうねってホーンが鳴りまくって分厚いコーラスとコール&レスポンスで軍や警察に対するメッセージを乗せた。メッセージソングでありながらダンスミュージックでもある。これはもはや民族音楽ではない。フェラはずっと文字通り戦っていた。警察に捕まっても、歌の内容は変わらなかった。


でも、フェラ・クティはもういない。1997年に死んだ。

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マイク・マクゴニガル「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」 



1991年はロックの当たり年だった。アメリカではシアトルからグランジが大爆発し、イギリスではロックとダンスが融合したマンチェスタームーブメントがピークを迎えていた。The KLFは世界を翻弄し、ちんけなバンドのプライマル・スクリームが一躍時代の寵児となり、サッカーのファンジンを作っていたおっさんはダンスとロックの橋渡しをするDJとして君臨し、カート・コバーンは蝕まれていた。たくさんの名盤が生まれ、時代の徒花でも懐メロでもなく、今でもふつうに聴けるものばかり。その中でも私が最も愛聴し続けているのが、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(通称マイブラ、以下MBV)の2ndアルバム「ラブレス」(リリース当初の邦題は「愛なき世界」)だ。制作費4500万だか6500万だかで、レコーディング期間3年、エンジニアは総勢18人、所属するインディレーベルのクリエイションを破産に追い込んだことでも有名な、終わりなき偏執狂の創造性を極限まで追求した、いまさら私が言うまでもなくロック史に燦然と輝く名盤中の名盤中の名盤中の傑作。サイケデリアの到達点、シューゲイザーの金字塔。隙間なく空間を埋めつくすギターノイズ。その上から降り注ぐ美しい旋律と甘く気怠い声。官能性と多幸感に満ちた夢のような世界。CDは3回買い替えた。LPも磨り減ってしまい、なんとかクリエイションのオリジナル盤をみつけて2枚目を購入した。

本書は、そのアルバムの制作現場や裏話などをまとめたもの。
要は「なんでそんなに時間がかかったのか」という話。

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Sonic Youth/the eternal 



【rock&pops】

Spirit desire
Spirit desire
Spirit desire
We will fall

欲望にスピリットを
欲望にスピリットを
欲望にスピリットを
わたしたちは、楽しくなる

 -sonic youth“Teenage riot”

ソニック・ユース、20枚目くらいのアルバム。

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