古井由吉「鐘の渡り」



極楽極楽。
77歳、現代最高の日本語使い。
日本語文芸の快楽を堪能できる。
帯にある文の通り、現代文学の最高峰。
(そうでなければ景表法違反である)

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小島信夫「ラヴ・レター」



もう新刊が出ることはないだろうと思っていた。
私がいちばん好きな日本の小説家、1915年生まれの小島信夫、まさかの新刊。

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梨木香歩「冬虫夏草」と、木地師のこと



和の雰囲気が好きな人にはたまらない小説、小さな宝石のような名作「家守綺譚」(そのときのブログ記事はこちら。なんと9年前)の続編。連載時には「続 家守綺譚」とタイトルについていたのだけれど、単行本では省かれた模様。今回は、行方不明になっている犬のゴローを探して綿貫が鈴鹿へ向かう。鈴鹿と言えば、木地師の発祥の地とされている場所だ。もちろん木地師の租と言われている惟喬親王も出てくるし、筒井神社や大皇器地租神社など所縁の地も出てくる。というわけで、木工関係者ならばより一層の思い入れを持つ一冊。

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アントニオ・タブッキ「夢のなかの夢」



他に選択肢があれば岩波文庫を選ばない、という人はあまりいない。私は、その「あまりいない」人のひとり。でありながら、蔵書を振り返ってみれば文庫は新潮に次いで岩波が多い。人生そんなもんである。このタブッキやカルヴィーノなど現代のイタリアは特に岩波文庫という感じがしないので何なのだが、20年くらい前に出た単行本が文庫を出さない出版社だったため、岩波に収録されてしまった次第。なので、訳文などはかつての岩波の悪文ではないので、岩波に入ってしまったのなら仕方がない、それ買うしかないもんな、という感じで済む。なので仕方なく買った。

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阿部和重 Deluxe Edition 9.11-3.11



なんだかこのブログのLiteratureカテゴリが阿部和重新刊情報みたいなことになっておりますが、それは古井由吉がこれまで順調なペースで年に一冊は出していたのに途絶しているからであり、古井由吉の新刊を取り上げることができないからであり、阿部和重が悪いわけではないし私も悪くない。それはともかく、阿部和重、久しぶりの短編集。というより、初の掌編集。

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阿部和重「□(しかく)」



ホラーというと90年代前半に「リング」や「黒い家」などが売れに売れて私も有名どころはだいたい読んでいたけれど現在どうなっているのかはさっぱりわかりません。だいぶ遠くへ来てしまった感じです。しかし私がこよなく愛する阿部和重の新作であれば、ホラーであろうがなかろうが買いますし読みます。

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阿部和重/クエーサーと13番目の柱



ご紹介が遅くなりました。
阿部和重の最新作。
そりゃまあ当然おもしろいです。
同時代の小説家でいちばんのおすすめ。
しかも「ウェルカムバック!」と叫びたくなる快作。

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古井由吉「蜩の声」



2011年の漢字は「絆」だそうだ。
軽い。うわっつらだけだ。何かを誤魔化そうとしている。
ノンと言わせない言葉を提示し「それでもうこの件はおしまい」とでも言いたげだ。

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 飯沢耕太郎編「きのこ文学名作選」



昨年11月に出たので、刊行後半年以内を目安に「新刊」のみ取り上げることにしているこのブログでは既に賞味期限切れだし、読了したものを取り上げるという最低限のマナーすらクリアできていない代物で、おまけに購入してすぐに泊まりがけの外出があって多分そのホテルにカバーを置きっぱなしにしているんじゃないかと思われるのだけれど、やっぱり取り上げておきます。というわけで、カバーありません。どんなカバーだったかも、もはや朧気でございます。

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