ワレリイ・ブリューソフ 南十字星共和国



まさかの復刊。半世紀ほど前に刊行された「20世紀のロシア小説」に収録された一冊。これまではとんでもなく古い古書(あたりまえである)を何とか入手するしかなかった。それが、手軽なuブックスで、私の嫌いじゃないuブックスで復刊。ロシア象徴主義の震源地ブリューソフ、ボリシェビキ政権で要職に就いた、とても象徴詩人とは思えぬキャリアのブリューソフの短編集。

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アンナ・カヴァン「氷」



幻想文学とSFを兼ね備えた小説は好物(でもファンタジーの要素まで入っていると途端に苦手となる)。たとえば、アーサー・マッケンやJ.G.バラード。アンナ・カヴァン「氷」は、そういったものが好みの人にとっては極上の一冊。サンリオSF文庫の復刊(の文庫化)。

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ホセ・ドノソ「別荘」



混沌としたビジョン。

ラテンアメリカ文学といえば、マジックリアリズム。漆器における輪島塗の如く最も一般的に知られているのは、ガルシア=マルケス「百年の孤独」だ。マジックリアリズムは、とても濃密。すごく濃いリキュールで酩酊するかのような、熱を出したときに見る夢のような、そんな読書。いまいち日本では知られていないのだけれど、ドノソの小説も、濃密。代表作のひとつとされる「別荘」の日本語訳が、ようやく出た。2014年の小説で一番と言い切ってしまいます。

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